暖かさの指数(温量指数)を基準に芝生を選ぶ
自宅の庭に植える芝生を選ぶ場合は、何を基準に選んだら良いのでしょうか?
日本は南北に長い国土を持っており、植えて育てられる芝生の種類も地域によって大きく異なります。
例えば、北海道と沖縄では気候が大きく異なるため、北海道に暖地型芝生を植えても気温が低いため芝生は育つことができません。逆に、沖縄に寒地型芝生を植えても、沖縄の夏の暑さに耐えられずに芝生は枯れてしまいます。
西洋芝は慎重に選ぶ必要があります。
日本で最も一般的な高麗芝の場合のみ、北海道以外のほとんどの地域で植えて育てることが出来るので、安心して選ぶことが出来ますが、西洋芝の中から選ぶ場合は特に注意が必要となります。
なぜなら、西洋芝には暖地型芝生と寒地型芝生があり、しかも品種によって寒さに強い、暑さに強いなどの異なる特徴を持っているからです。
このように、植える芝生の選択を間違ってしまうと、植えてからの手入れをどんなに頑張っても芝生は元気に育ってくれませんので、まずは、自宅の気候に合った芝生を、慎重に選ぶ必要があります。
このページでは、温量指数によって日本を6つのゾーンに分け、各ゾーンごとに最適な芝生を紹介していますので、芝生を選ぶ際の参考にしてください。
温量指数を基準にした芝生の植栽ゾーン
温量指数によって、芝生が育つ・育たないを判断できます。
植物と温度の関係を示す数値に「温量指数」という数値があります。
この数値は、月平均気温が5℃以上の月について、その月の平均の気温から5℃を除いた値を積算して求めた数値です。「温量指数」は暖かさの指数とも呼ばれ、この数値で植物の生育範囲が決まります。
芝生も植物の一種なので、温量指数によって育つ、育たないを判断することが出来ます。
次の項では、温量指数によって日本を6つの植栽ゾーンに分け、育てることの出来る芝生の種類をまとめています。
芝生を選ぶ際には、この温量指数を基準にした植栽ゾーンを理解して、気候に合った芝を選ぶようにしましょう。
寒地型芝生の植栽ゾーンと適正
比較的寒い地域に向いている芝生を、寒地型芝生と呼びます(冬芝と呼ばれることもあります)
寒地型芝生の生育気温は、15℃〜20℃で、日本では春と秋が成長期になります。
寒地型芝生は、冬には成長が止まってしまいますが、暖地型芝生のように枯れて茶色くはならないので、冬の間でも緑の芝生を維持することが出来ます。
日本では北海道や沖縄などの寒冷地で育てることができますが、関東より南の地域では、夏の気温に耐えることが出来ずに枯れてしまうので、育てるのに適していません。
ただし、冬の間のウィンターオーバーシード用の芝草芝生として、関東より南の地域でも使用されることがあります。
寒地型芝生の種類として、ブルーグラス類、ベントグラス類、フェスク類、ライグラス類などが有名です。
ケンタッキーブルーグラスの植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン2 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン3 | 〇 適している |
植栽ゾーン4 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン5 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン6 | ☓ 適していない |
↓ケンタッキーブルーグラスについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
ベントグラスの植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン2 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン3 | 〇 適している |
植栽ゾーン4 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン5 | 適していない |
植栽ゾーン6 | 適していない |
↓ベントグラスについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
トールフェスクの植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン2 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン3 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン4 | 〇 適している |
植栽ゾーン5 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン6 | ☓ 適していない |
↓フェスクについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
ライグラス類の植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | 〇 適している |
植栽ゾーン2 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン3 | 〇 適している |
植栽ゾーン4 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン5 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン6 | ☓ 適していない |
↓ライグラス類については、こちらのページで詳しく紹介しています。
↓寒地型芝生についてはこちらもご覧ください
暖地型の植栽ゾーンと適正
比較的温かい地域に向いている芝生を、暖地型芝生と呼びます(夏芝と呼ばれることもあります)
暖地型芝生の生育気温は、23℃〜25℃で、日本では春、夏、秋が成長期になります。
暖地型芝生は、気温が23℃以下になると成長が止まり、冬には枯れて茶色くなるのが特徴です。
日本では、関東より南の比較的温かい地域で育てることが出来ますが、北海道や東北地方では気温が低いために育てるのは難しいでしょう。
寒地型芝生の種類として、日本芝は(野芝、高麗芝、姫高麗)、西洋芝はバーミューダグラス類などが有名です。
野芝の植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | 〇 適している |
植栽ゾーン3 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン4 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン5 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン6 | ◎ 最も適している |
高麗芝の植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン3 | 〇 適している |
植栽ゾーン4 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン5 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン6 | ◎ 最も適している |
↓高麗芝については、こちらのページで詳しく紹介しています。
バミューダグラス類の植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン3 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン4 | 〇 適している |
植栽ゾーン5 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン6 | ◎ 最も適している |
↓バミューダグラスについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
テフィトン類の植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン3 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン4 | 〇 適している |
植栽ゾーン5 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン6 | ◎ 最も適している |
↓テフィトン類については、こちらのページで詳しく紹介しています。
センチビードグラスの植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン3 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン4 | 〇 適している |
植栽ゾーン5 | ◎ 最も適している |
植栽ゾーン6 | ◎ 最も適している |
セントオーガスチングラスの植栽ゾーン
植栽ゾーン1 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン2 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン3 | ☓ 適していない |
植栽ゾーン4 | △ 条件によって可 |
植栽ゾーン5 | 〇 適している |
植栽ゾーン9 | ◎ 最も適している |
↓暖地型芝生についてはこちらもご覧ください
各植栽ゾーンに最適な芝生
ゾーン1 北海道
ケンタッキーブルーグラス
北海道は、寒地型芝生が適している地域です。寒地型芝生の中でも人気のある、ケンタッキーブルーグラスがおすすめです。トールフェスクやベントグラスも育てることができます。
涼しい地域なので、暖地型芝生を育てるのに適していません
詳しく見る
ブルーグラス類 – 世界で最も植えられている西洋芝
ゾーン2 東北地方北部
ケンタッキーブルーグラス
東北地方北部は、寒地型芝生が適している地域です。寒地型芝生の中でも人気のある、ケンタッキーブルーグラスがおすすめです。トールフェスクやベントグラスも育てることができます。
涼しい地域なので、暖地型芝生を育てるのに適していません
詳しく見る
ブルーグラス類 – 世界で最も植えられている西洋芝
ゾーン3 東北地方南部・中部地方高知
ケンタッキーブルーグラス / 野芝
東北地方南部・中部地方高知は、寒地型芝生が適している地域ですが、暖地型芝生を育てることもできます。寒地型芝生の中では、人気のあるケンタッキーブルーグラスがおすすめです。
暖地型芝生の中では、比較的暑さに強い野芝が育てやすいでしょう。
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ブルーグラス類 – 世界で最も植えられている西洋芝
ゾーン4 関東・近畿・中国地方
高麗芝 / 野芝 / バミューダグラス
関東・近畿・中国地方は、暖地型芝生が適している地域です。ただし、暖地型芝生は冬になると枯れてしまうので、常緑の芝生は諦めなければいけません。
十分な手入れができれば寒地型芝生を育てることも出来ますが、夏の暑さ、梅雨の湿気で枯れてしまう可能性が大きく、あまりおすすめ出来ません。
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日本で一番育てやすい高麗芝
バミューダグラス – 世界で最も使われている暖地型西洋芝
ゾーン5 四国・九州地方
高麗芝 / バミューダグラス / テフィトン類
四国・九州地方は、暖地型芝生を育てるのに最適な地域です。ただし、暖地型芝生は冬になると枯れてしまうので、常緑の芝生は諦めなければいけません。
寒地型芝生は、夏に枯れてしまう可能性が大きいので、おすすめできません。
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日本で一番育てやすい高麗芝
バミューダグラス – 世界で最も使われている暖地型西洋芝
ティフトン – バミューダグラスを品種改良した暖地型西洋芝
ゾーン6 九州南部・沖縄地方
高麗芝 / バミューダグラス / テフィトン類
九州南部・沖縄地方は、暖地型芝生を育てるのに最適な地域です。沖縄地方は年間を通して温暖な気候のため、暖地型芝生で常緑の芝生を作ることもできます。
寒地型芝生は、夏に枯れてしまう可能性が大きいので、おすすめできません。
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日本で一番育てやすい高麗芝
バミューダグラス – 世界で最も使われている暖地型西洋芝
ティフトン – バミューダグラスを品種改良した暖地型西洋芝
↓芝生の種類については下記ページで詳しく紹介しています。