この記事の概要
芝生の種類ごとに特徴を紹介しています。芝生には日本芝に含まれる高麗芝、姫高麗芝、野芝、そして西洋芝のバミューダグラス類、ティフトン類、ウィーピングラブグラス、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類などがあります。
芝生にはたくさんの種類があります。ただし、芝生の種類や品種によって、育つ環境や手入れの手間などが大きく異なるので、自宅の庭に植える芝生を選ぶ場合には、種類による特徴などを理解してよく検討してください。
芝生にはたくさんの種類がありますが、原産地によって日本芝と西洋芝に区別されます。さらに芝生が成長する気温によって、暖地型芝生と寒地型芝生の種類に分けることができます。
日本芝は昔から日本に自生している芝生です。西洋芝はヨーロッパなどの海外が原産地で、近年になって日本に輸入された芝生です。日本では育てやすい日本芝が主流となっていますが、最近では自宅の庭に西洋芝を植える方も増えてきました。
↓西洋芝と日本芝の違いはこちら
芝生の種類は生育する気温で、暖地型芝生と寒地型芝生に別れます。品種によって多少の違いがありますが、暖地型芝生は気温が25°C~30°C(日本では春から秋にかけて)で成長する芝生、寒地型芝生は気温が15℃~20℃(日本では春と秋)にする芝生です。
日本芝は暖地型のみですが、西洋芝は暖地型と寒地型かありますので、購入時には間違わないように注意してください。
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↓芝生の選び方については、こちらのページで詳しく紹介しています。
シバ類(シバ属 Zoysia)
春から秋にかけて成長し、冬になれば枯れる日本芝。
日本芝は、原産地が日本でもともと日本に自生している芝生のことです。日本の高温多湿の環境でも育つことができる芝生です。
暖地型芝生なので、春から秋にかけて成長し、冬になれば枯れてしまいます(芝生の冬枯れ)。春になって生育温度になれば、新芽が生えてきて緑の芝生が復活します。
高麗芝、姫高麗芝、野芝、ビロード芝、TM9
日本芝の種類には、高麗芝(コウライシバ)、姫高麗芝(ヒメコウライシバ)、野芝(ノシバ)、ビロード芝などがありますが、日本で一番育てられている種類は高麗芝です。また、高麗芝の品種改良版であるTM9(ティーエムナイン)も人気があります。
↓日本芝については、こちらのページで詳しく紹介しています。
日本芝には下記のような種類があります。
日本芝は、日本で自生しているだけあって、日本の高温多湿な気候に適していますので、初心者でも育てやすいのがメリットです。デメリットは冬になると枯れてしまって茶色くなってしまうことです。
それでは、日本芝に含まれる芝生の、それぞれの特徴を見ていきましょう。
Zoysia.matrella/日本の在来種
高麗芝は本州から九州にかけて一番植えられている芝生の種類です。ホームセンターで販売されている切芝(マット芝)もほとんどが高麗芝です。一般家庭の庭以外にも、公園や学校のグラウンド、スポーツ施設、ゴルフ場のグリーンなどに幅広く使用されています。
暖地型芝生のため、春から秋にかけて(気温が25°C~30°C)で成長をして、非常にきれいな芝生を作ります。冬になり気温が低くなると茶色く枯れてしまいますが、春になって暖かくなれば新芽が出てきて、再び美しい緑の芝生を作ります。
高麗芝は、西洋芝に比べて、病気に強い、踏圧に強い特徴を持っており、メンテナンスも簡単なため、初心者でも育てやすい芝生の種類です。
↓高麗芝については、こちらのページで詳しく紹介しています。
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Zoysia.matrella/高麗芝を改良した品種
TM9は、トヨタ自動車(株)が、芝生の維持管理を簡単にするために、高麗芝を品種改良して開発した芝生です。
TM9は芝生の手入れを簡単にすることを目的として品種改良をされており、草丈が高麗芝に比べて半分程度しかありません。そのため芝刈りの回数が年に1回〜3回で済むことが最大の特徴です。
購入価格が高麗芝よりも3倍程度と、購入コストがデメリットではあるが、高麗芝の育てやすさを引き継ぎながら、手入れの手間も省けることができるので、自宅の庭にTM9を植える人が増えています。
↓TM9については、こちらのページで詳しく紹介しています。
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Zoysia.matrella/高麗芝の一種
姫高麗芝は高麗芝の一種で、高麗芝の品種の中でも、幅が細い(2mm以下)芝草の場合に、高麗芝と区別するために姫高麗芝と呼ばれています。
姫高麗芝は、葉が細くて繊細で葉の色が鮮やかなのが特徴。高麗芝よりも密度が高くなるので、非常にきれいな芝生を作ることができます。
その反面、高麗芝よりも成長が早いために、芝刈りの回数が多く必要、肥料管理などの手間がかかる、病気になりやすいなどの管理の手間が必要となります。
↓高麗芝については、こちらのページで詳しく紹介しています。
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野芝は、日本全国の山などに自然に生えている芝生です。
高麗芝や姫高麗芝に比べて成長も遅く手入れも簡単ですが、密度が荒く葉も大きいために見栄えは良くないので、一般家庭の庭で使用されることはなく、道路の法面やゴルフ場のラフなど、見栄えを必要としない場所の緑化目的で使用されています。
↓日本芝の種類について詳しく見る
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春から秋にかけて育つ、暖地型西洋芝。
西洋芝は、もともと日本に自生していない芝を、海外から輸入してきた芝のことです。その中でも、生育気温が25℃〜30℃で、日本では春から秋にかけて成長する種類を、暖地型西洋芝と呼びます。
暖地型西洋芝の特徴は日本芝とほぼ同じです。春から秋にかけてきれいな緑の絨毯を作るが、冬になると枯れて茶色くなります。種から植えることが出来るのが日本芝との大きな違いです。
暖地型の西洋芝は成長スピードが早くて、水やりの回数も多く必要になってくるので、日本芝よりも育てるのに手間が必要となります。
↓暖地型西洋芝の種類一覧はこちらのページをご覧ください。
暖地型西洋芝には下記のような種類があります。
それでは、暖地型西洋芝に含まれる芝生の、それぞれの特徴を見ていきましょう。
Bermudagrass/和名:ギョウギシバ/学名:Cynodon dactylon
バーミューダグラスは世界で最も多く使用されている暖地型芝生です。西洋芝の中では最も高麗芝に近い性質を持っています。成長が早く、夏には非常に旺盛に成長します。
成長が早いために、擦り切れからの回復が早く、踏圧にも強いためにサッカー場などのスポーツ施設で多く使用されています。国立競技場でも使用されています、
しかし、成長が早いということは、芝刈り、水やりの回数も多く必要となってきます。一般家庭の観賞用の芝生としては手間ががかかりすぎるので、おすすめはできません。
↓バーミューダグラスについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
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別名:ティフウェイ/バーミューダグラスとアフリカンバーミューダグラスの交配種
ティフトン419は、テフィトン類で最も一般的な種類の芝生です。バーミューダグラスの1種で、バーミューダグラスとアフリカンバーミューダグラスを交配して作られた芝生です。
踏圧に強いので、競技場などのスポーツ施設によく使われますが、葉は細くて柔らかく、色も鮮やかなために、公園や学校の校庭などでも使用されています。
成長スピードが早く、芝刈りは頻繁にする必要がある。また日陰に弱いなど、育てるのにはある程度条件が揃わないと難しいが、その繁殖力を生かして、鳥取方式と呼ばれるポット苗を使用した芝生の植え方にも使用されています。
↓ティフトンについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
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成長すると、葉の高さが25〜50cmに育つ芝生の種類。一般家庭で植えられることはなく、道路の法面などに利用されることが多い。暖地型に含まれるが、比較的寒さにも強いので、東北地方より南の地域でも使用されています。
↓ウィーピングラブグラスについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
↓寒地型西洋芝の種類一覧はこちらのページをご覧ください。
寒冷地で育てることができる寒地型西洋芝。
西洋芝は、もともと日本に自生していない芝を、海外から輸入してきた芝のことです。その中でも、比較的低い気温(日本では春と秋)で成長する種類を寒地型西洋芝と呼びます。冬でも緑の状態を保つので、一年中緑の芝生を楽しむことができます、
寒西洋芝を植える場合には寒地型西洋芝注意する事があります。それは、寒地型西洋芝は夏の暑い時期には弱く、関東より南の地域では、夏の暑さを乗り越えらないことです。(高地など涼しい地域は除きます)
北海道、東北、高地など、夏涼しい地域でしか育てることができない
西洋芝は、成長のスピードが早くて、水やりの回数も多く必要になってくるので、日本芝よりも育てるのには手間が必要となります。
↓寒地型西洋芝の種類一覧はこちらのページをご覧ください。
寒地型西洋芝には下記のような種類があります。
それでは、寒地型西洋芝に含まれる芝生の、それぞれの特徴を見ていきましょう。
Agrostis/イネ科>コヌカグサ属
ベントグラス類は、芝生の王様とも呼ばれ、欧米の中部・北部で多く植えられている芝生です。葉が細かく柔らかく、繊細できれいな芝生を作ることができるので、ゴルフ場のグリーンなどでも使用されています。
高温多湿には弱いために、日本の夏を乗り切ることはできません。そのために日本では北海道や東北地方などの涼しい地域でしか植えて育てることはできません。しかしゴルフ場などしっかりとした管理ノウハウがあれば他の地方でも育てることは可能です。
↓ベントグラス類については、こちらのページで詳しく紹介しています。
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Poa/イネ科>イチゴツナギ亜科>イチゴツナギ属
世界でもっとも多く使用されている芝草で、ブルーグラス類の中でも、ケンタッキーブルーグラスが有名です。ベントグラス類よりも寒い地方でも育ちやすいので、北海道ではよく植えられている芝生の種類です。
ブルーグラス類は、葉が細くて柔らかく匍匐茎による成長力が強いので、密度が高いきれいな芝生を作ることができます。しかし病気になりやすいというデメリットもあり、管理には注意が必要です。
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寒地型西洋芝の中では、比較的暑さに強い品種です。葉の幅が太いトール・フェスクや葉の幅が狭いハード・フェスクなどの種類があります。
気温に対する適応力があり、暖地型と寒地型の両方の特徴を持っています。比較的丈夫な芝生なので、競技場などでも使用されています。
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Lolium/イネ科>ウシノケグサ亜科>ドクムギ属
ペレニアルライグラス(Lolium perenne)の別名はホソムギ。世界中で牧草として使用されている芝草です。
イタリアンライグラス(Lolium multiflorum)の別名はアニュアルライグラスやネズミムギ。ヨーロッパ原産の芝草で、アメリカではスポーツ施設等で幅広く使用されているが、日本では雑草として認識されています。
ライグラス類は、植えてからの初期の成長スピードが早いので、日本では常緑の芝生を作るためのウィンターオーバーシードによく使用されます。
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日本芝 = 夏芝 西洋芝 = 夏芝と冬芝がある
暖地型芝生のことを、一般的に夏芝と呼ぶことがあります。その反対に寒地型芝生を冬芝と呼ぶことがあります。両方とも呼び方が違うだけで意味は同じです。
「日本芝=夏芝。西洋芝=夏芝と冬芝がある」と覚えておくとよいでしょう。
背の低い芝草が低く密集している状態
芝生とは「背の低い芝草が低く密集している状態」のことを意味する言葉です。そのため、「芝生の種類」ではなく「芝草の種類」と呼ぶのが正しいのですが、一般的には「芝生の種類」でも十分に通用します。
芝草に使用される草には「15属34種」もありますが、これを総称して「芝草」と呼んでいます。芝草として使用できるには下記のような条件があります。