ティフトン – バミューダグラスを品種改良した、擦り切れに強い暖地型西洋芝

この記事の概要

経済的な植え方「鳥取方式」でも使われるティフトンは、スポーツ施設や学校の校庭緑化でよく使われる芝生です。このページでは、ティフトン(Cynodon dactylon)の特徴、植栽ゾーン、利用施設、植え方、手入れ方法、購入方法を、芝生愛好家の芝太郎が紹介しています。

芝生の種類と比較
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踏圧や擦り切れに強い、バミューダグラスの改良種

ティフトンとは、イネ科 > スズメガヤ亜科 > ギョウギシバ属の西洋芝。バミューダグラスの改良種で、暖地型芝生(夏芝)に含まれる芝草です。

ティフトンの元となった、バミューダグラスは、暑さ、乾燥、踏圧、擦り切れに強い特徴を持っており、ティフトンもその特徴を引き継ながら、更に質が良くなっています。

このページでは、ティフトンの特徴や、植え方、育て方、購入方法などを紹介しています。

暖地型西洋芝とは

海外から日本に輸入された芝生の種類。暖地型芝生のグループに属し春から秋にかけて成長する芝生です。

生育温度は23~35°C。夏は特に旺盛に成長します。日本芝と同様に冬になると休眠期に入り枯れて茶色くなります。

成長スピードが早いため管理の手間がかかるが、丈夫な芝生です。

ティフトンの特徴

Bermudagrass / イネ科 > スズメガヤ亜科 > ギョウギシバ属
和名:ギョウギシバ / 学名:Cynodon dactylon
暖地型西洋芝 / バミューダグラスの一種

暖地性芝生の中で、匍匐茎の生育が最も盛んな品種

ティフトンは、葉がバミューダグラスより細く、暖地性芝生の中で最も匍匐茎(ランナー)の生育が盛んな特徴を持っています。

芝生の種類によっては、人に踏まれると傷ついて弱ったり、枯れてしまったりする場合があります。一方、ティフトンは、踏まれたり傷ついたりしても、回復力が強いためにすぐに枯れたりする心配はありません。

ティフトンのメリット

  1. 踏圧や擦り切れにく、回復も早い。
  2. 繁殖力が強いので、ポット苗を使い低コストで芝生を作ることができる。
  3. 葉は繊細で柔かいので、高麗芝のようにチクチクとした感触がないため、素足でも歩ける。
  4. 葉の色が鮮やかで、密度が高い芝生を作ることができる。
  5. 暑さや乾燥に強いので、日本の高温多湿な気候でも育つことができる。
  6. ウィンターオーバーシードの夏芝として使用できる。

ティフトンの特徴まとめ

生育地域関東より南の地域
主な用途競技場・学校の校庭緑化
管理の難易度難しい・刈り込み回数が多い
葉質葉の幅は細い・葉色が濃い
耐踏圧性とても強い
耐陰性弱い

生育地域:生育に最適な地域 / 管理の難易度:水やり、刈り込み頻度など
葉質:葉の細かさや密度 / 耐踏圧性:踏まれたときの強さ
耐陰性:日陰に対する強さ

ティフトン419

ティフトン類で最も有名な品種で、ティフウェイとも呼ばれます。バーミューダグラスとアフリカンバーミューダグラスの交配種。

ティフトンは多くの特徴をバミューダグラスから受け継いでいるので、もっと詳しく知りたい方は、バミューダグラスの特徴をご覧ください。

ティフトンの植栽ゾーン

関東より南の地域に適している芝生

ティフトンの生育温度は20℃~です。他の暖地型芝生と同様に、日本では春から秋にかけて成長し夏は特に旺盛に成長します。冬になると休眠期に入り成長は止まりますが、春になり暖かくなると再び成長をはじめます。

ティフトンが成長するためには、バミューダクラスと同じく1日5時間以上の日光が必要となるので、日当たりが悪い住宅地にはおすすめできない品種です。

なお、寒冷地である北海道や東北の北部では気温が低いため成長することができないので、注意が必要です。

↓温量指数による芝生の選び方はこちら

ティフトンの利用施設

競技場や学校の校庭緑化で使用されることが多い

ティフトンは「人に踏まれることに強い」「擦り切れからの回復が早い」などの特徴から、サッカースタジアム、野球スタジアム、ゴルフ場のフェアウェイの多くで使用されています。

ティフトンが使用されている(されていた)有名な施設としては、ヤフーBBスタジアム、Jリーグのスタジアム、甲子園球場、国立競技場などが挙げられます。

また、成長スピードが早いことで、少ない芝で広い面積の芝生を短期間で作ることが出来るので、学校の校庭などの緑化(芝生化)にも使用されることもあります。

ティフトン使用の有名な施設

ヤフーBBスタジアム、Jリーグのスタジアム、甲子園球場、国立競技場などがティフトンを使用しています(していました)。

ティフトンの植え方

鳥取方式で植えると、低コストで全面芝生が作れます

ティフトンの植え方としては「鳥取方式」がもっとも有名です。

鳥取方式とはポット苗を利用した芝生の植え方で、ポット苗を50cmx50cm間隔で植えて、ティフトンの匍匐茎による繁殖力を活かして、2〜3か月で全面芝生を作る芝生の植え方です。6月下旬に植えることが推奨されています。

鳥取方式は切り芝をベタ貼りで植える場合と比べて、必要な芝生の量が少なくて済むため、1/10程度のコストで全面芝生を作ることができます(ただし全面芝生が完成するのには2〜3か月間必要です)。

鳥取方式

「鳥取方式®」とは、NPO法人グリーンスポーツ鳥取の理事が考案し全国的に広げている「芝生化」の手法です。

  1. ティフトンの植え付け用の苗をポットに作る
  2. ポット苗を0cmx50cm間隔で植える
  3. 2~3ヶ月後に全面に芝生が広がり完成する

ティフトンの手入れ

成長スピードが速く、芝刈りの回数が多く必要となるティフトン

ティフトンは成長スピードが早いために、他の芝生に比べて芝刈りの回数が多くなります。6月〜9月までの4か月間は、最低でも週に1回の芝刈りが必要となります。それ以外の、3月〜5月、10月〜11月でも、2週間に一度の芝刈りが必要です。

ただし、頻繁な芝刈りで芝生の密度を挙げてしまえば、雑草が生えにくくなり、雑草対策の手間は少なくなります。

このように、ティフトンを育てるためには、芝刈りの時間を毎週確保する必要があるので、一般家庭の芝生には向いていないと思われます。

↓芝生の手入れ方法について詳しく知りたい場合は、下記のページをご覧ください。

ティフトンの入手方法

ポット芝やストロン苗での購入が主流

ティフトンは、バミューダグラスとアフリカギョウギシバの交雑種のため種子は流通していません。そのためポット芝やストロン苗で流通での流通が主流となっています。

以前は、地下部の細い根が少ないために、切り芝での購入は難しいとされてきましたが、近年では、生分解性ネットを使った栽培方法により、切り芝での購入も出来るようになりました。

ティフトンの豆知識

ウィンターオーバーシードにも使用されるティフトン

温暖な地域で一年中緑の芝生を楽しむために、夏は暖地型芝生を育て冬は寒地型芝生を育てる「ウィンターオーバーシード」という方法があります。

ウィンターオーバーシードの春のトランジション作業において、冬芝から夏芝に切り替えるのですが、このとき夏芝には冬芝に負けない生命力が必要となります。

しかし、日本で最もポピュラーな夏芝である「高麗芝」の生命力では冬芝に勝つことが難しいので、その場合は、生命力の強いティフトンが使用されることがあります。

参考記事
一年中緑の芝生を楽しめるオーバーシード

↓ティフトンの購入はこちら。

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↓その他の芝生の種類はこちら

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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