芝生の暖地型と寒地型の違いとは?成長する気温(季節)が違います

この記事の概要

このページでは、夏芝、冬芝とも呼ばれる暖地型芝生と寒地型芝生の違いについて解説しています。暖地型、寒地型の特徴や比較、植えて育てることができる地域、日本芝と西洋芝についての誤解などを紹介しています。

芝生の種類と比較
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芝生が成長する気温で、暖地型と寒地型に分かれる

芝生の種類の分け方として、暖地型と寒地型という分け方があります。暖地型、寒地型という言葉からもイメージできるように、この違いは、芝生が成長する気温によって分けられています。

日本は南北に長い国土を持っており、同じ国の中でも、気候が大きく違います。そのため、芝生を選ぶ時に、暖地型と寒地型を間違って選んでしまうと、植えても育たなかったり、枯れたりしてしまいます。

このページでは、暖地型芝生と寒地型芝生の違いについて紹介しています。

なお、暖地型芝生を「夏芝」、寒地型芝生を「冬芝」と呼ぶこともありますが、呼び方が違うだけです。

夏芝と冬芝

暖地型芝生 = 夏芝
寒地型芝生 = 冬芝

参考記事
芝生の種類と比較
西洋芝と日本芝の違い

暖地型芝生と寒地型芝生とは?

気候によって植えられる芝生に違いがある

芝生にはたくさんの種類がありますが、生育温度によって暖地型芝生や寒地型芝生と呼ばれることがあります。日本の夏で育つ芝生は暖地型芝生と呼ばれています。日本で春と秋に成長する芝生は寒地型芝生と呼ばれています。

両者の違いは主に生育温度です。

日本の国土は南北に長く、気温の差が大きいので、地域によって植えられる芝生の種類に違いが出てきます。そのため芝生を植える地域が、暖地型が適しているのか、寒地型が適しているのかを理解する必要があります。

それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

暖地型芝生の特徴

暖地型芝生は23~35℃で成長する芝生

比較的高い気温で成長する芝生の種類は「暖地型芝生」と呼ばれます。

生育温度は23~35℃、日本では、春から秋にかけて生長します。気温が23℃以下になると成長が止まり、冬の間は休眠期に入ります。

そして休眠期に入った暖地型芝生は枯れて茶色く変色します。春になって気温が23°C以上になると、再び成長期に入り新芽が出てきます。

↓暖地型芝生の詳細はこちら

暖地型芝生が植えられる地域

関東より西の地域が適している

日本では関東より西側の地域が、暖地型芝生を育てられる地域となります。北海道と東北地方北部は、夏でも気温が低いために、暖地型芝生の生育には適していません。

北海道
東北地方北部
東北地方南部
中部地方高地
関東
近畿
中国
四国
九州
九州南部
沖縄

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暖地型の芝生の種類

暖地型芝生には日本芝と西洋芝がある

暖地型芝生には日本芝と西洋芝があります。日本で最も植えられている高麗芝は、暖地型芝生のグループに入ります。

その他の日本芝、姫高麗芝、野芝、ビロード芝、TM9などもすべて暖地型芝生のグループに入ります。

暖地型西洋芝には、バミューダグラス類、ティフトン類、ウィーピングラブグラスなどがあります。耐踏圧性に強いので、スポーツ施設、競技場などでもよく使用されています。

日本芝(全て暖地型芝生)

高麗芝(コウライシバ)詳しく見る>
姫高麗芝(ヒメコウライシバ)詳しく見る>
野芝(ノシバ)
ビロード芝
TM9(ティーエムナイン) 詳しく見る>

暖地型西洋芝

バミューダグラス類詳しく見る>
ティフトン類詳しく見る>
ウィーピングラブグラス詳しく見る>

寒地型芝生の特徴

寒地型芝生は15〜25℃で成長する芝生

比較的涼しい気温で成長する芝生の種類は「寒地型芝生」と呼ばれます。生育温度は15〜25℃、日本では、春と秋に生長します。

寒地型芝生は冬になっても葉が枯れた状態にはなりません。

寒地型芝生は、夏の暑さや湿気に弱いので、日本の夏の暑さを乗り越えられるかが、大きなポイントになってきます。

↓寒地型西洋芝の詳細はこちら

寒地型芝生が植えられる地域

北海道と東北地方が適している

日本では、北海道と東北地方が、寒地型芝生を育てられる地域となります。

関東より西側の地域では、梅雨の湿度や夏の気温が高いため、夏の暑さを乗り越えられずに枯れてしまう可能性が高いので、寒地型芝生を育てることができません。

北海道
東北地方北部
東北地方南部
中部地方高地
関東
近畿
中国
四国
九州
九州南部
沖縄

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芝生を選ぶ時は温量指数を参考にしよう

寒地型芝生の種類

寒地型芝生は西洋芝のみ

寒地型芝生は西洋芝のみとなります。寒地型の日本芝はありません。

寒地型芝生でもっとも有名なのがケンタッキーブルーグラスです。その他の寒地型芝生として、ベントグラス類、フェスク類、ライグラス類などがあります。

また、暖地型芝生に適している地域では、オーバーシード用の芝草として使われることがあります。

ブルーグラス類詳しく見る>
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フェスク類詳しく見る>
ライグラス類詳しく見る>

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暖地型芝生と寒地型芝生の比較まとめ

暖地型芝生と寒地型芝生の特徴を比較できるようにまとめた表です。

条件暖地型芝生寒地型芝生
適する気候温暖(春から秋)冷涼な気候(春と秋)
生育気温23~35℃15〜25℃
成長スピード遅め速い
成長期の葉の色淡い緑色鮮緑色〜濃緑色
冬の間の葉の色白茶色(冬枯れ)生育が止まるが、葉は緑のまま
耐暑性非常に高い高温多湿に弱い
耐寒性低い(冬枯れする非常に高い
耐乾性高い弱い
耐病性高い弱い
芝生の植え方張り芝種まき・張り芝
床土の適性幅広く対応砂質の土を好む
管理手入れは簡単手入れはやや難しい
芝生管理コスト低い高い
使用場所一般家庭の庭、サッカー場、公園、ゴルフ場など一般家庭の庭、サッカー場、競技場、ゴルフ場など

日本芝と西洋芝についての誤解

西洋芝=寒地型芝生ではない。

芝生の種類を考える時に、

日本芝 = 暖地型芝生
西洋芝 = 寒地型芝生

と誤解されることがあります。

日本芝と西洋芝の分け方は、原産地の違いからくるもので、日本で昔から分布している芝生を「日本芝」と呼び、海外から輸入された芝種を「西洋芝」と呼んでいます。

これに対して、暖地型と寒地型の分け方は、主に生育温度によって分けられています。

そのため正しくは、

日本芝 = 暖地型芝生
西洋芝 = 暖地型芝生と寒地型芝生の両方がある

ということになります。

暖地型芝生と寒地型芝生の比較まとめ

最後に、暖地型芝生と寒地型芝生の違いをもう一度おさらいしてみましょう。

暖地型芝生の特徴
  • 春から秋に成長する芝生
  • 冬は枯れて冬枯する
  • 関東より西の地域で生育が可能
寒地型芝生の特徴
  • 春と秋に成長する芝生
  • 冬でも緑の葉を維持する
  • 北海道と東北地方で生育が可能

ここまで説明したように、暖地型と寒地型は、芝生選びの大きなポイントとなります。ここで芝生選びを間違うと、芝生が枯れたり育たなかったりして、芝生づくりに失敗してしまうので、慎重に選んでください。

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この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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