オーバーシードという方法で一年中緑の芝生を楽しむことができます。ただし難易度は高いです。
私の家の芝生は高麗芝です。冬になって枯れてしまうことに少し不満を持っています。高麗芝の上から西洋芝の種を蒔くことで冬の間でも緑の芝生になると聞きましたが、具体的にはどの様にするのでしょうか?
オーバーシードと言われる芝生の植え方
ご質問にあった方法は、オーバーシードと言われる芝生の植え方です。日本の関東より南の地域では夏芝を植えるのが基本です。(高麗芝も夏芝の仲間)
冬でも枯れない寒地型の西洋芝は、秋、冬、春の涼しい季節では育ちますが、高温多湿な夏は枯れてしまいます。そこで春から秋にかけては暖地型芝生を育てて、秋から冬にかけて寒地型の西洋芝を育てることで、一年中緑の芝生を育てることができます。これをオーバーシード(オーバーシーディング)と呼びます。
北海道や沖縄であれば、一年中寒地型芝生を育てることができるので、オーバーシード無しで一年中緑の芝生を楽しめるよ。
要するに、暖地型芝生と、寒地型西洋芝の成長気温の差を使って、季節によって育てる芝生を切り替える手法です。ただし、暖地型芝生は植えたままで良いのですが、秋の西洋芝の種蒔きは毎年行う必要があります。
オーバーシードのやり方
まずは暖地型の芝生が植えられていることが前提として、オーバーシードの大まかな流れは下記のとおりです。地域によって微妙に時期は異なります。尚、西洋芝=寒地型西洋芝のこと、夏芝=暖地型芝生(高麗芝)のことです。
大雑把な方法は上記のとおりです。実際には肥料や水やりなども必要になっています。オーバーシードの方法は下記ページで詳しく紹介しているので見てください。
オーバーシードは難しいです
オーバーシードは、芝生の手入れの中でも難易度が高く、手順やタイミングを間違うと失敗してしまいます。
失敗例としては、
- 西洋芝の種まきが均一に出来ていなかったため芝生のムラが出来た
- 夏芝の低刈りやサッチングが不十分で西洋芝の芽が出ない
- 春のトランジッションが遅れて夏芝が育たない
などがあります。
まずは、トランジッションの方法を知っていて、タイミングよくできること、そして冬の間もメンテナンスができること、そして、ご自身がどこまで芝生に手間暇をかけられるかを考慮して判断してください。
オーバーシーディングに使用する品種について
ご質問の方は、高麗芝を植えられていますが、高麗芝は西洋芝に比べると繁殖力が弱いので、オーバーシードには向いていません。本来、オーバーシードに使用する夏芝は、繁殖力の強い暖地型西洋芝を使用します。よく使われるのが「ティフトン」や「バミューダグラス」です。
これから芝生を植える方でオーバーシードを検討している人は夏芝を「ティフトン」や「バミューダグラス」で植えるようにしてください、
寒地型の西洋芝には、成長スピードが早く、夏の暑さに弱い性質が必要です。そのため、ライグラス類の「ペレニアルライグラス」や「アニュアルライグラス」がよく使われています。
もうすでに高麗芝を植えている場合は、タキイ種苗の「サツキワセ」を使ってオーバーシードしてください。サツキワセは、ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスの交配種で、タキイ種苗が開発したオーバーシード専用の品種です。
着色剤を使うことで冬でも緑にできる。
「一年中緑の芝生を楽しみたいけど手間暇をかけたくない」ようなワガママな人には芝生用の着色剤という裏技をオススメします。要するに枯れた芝に色を塗ってしまう方法です。この方法だと、秋から冬にかけて定期的に着色剤を散布することで、冬の間でも緑の芝生を楽しむことができます。
着色剤を散布する手間はかかりますが、西洋芝に切り替える必要がないので最小限の手間で、一年中緑の芝生を育てる事ができます。