芝に生えるキノコの駆除には殺菌剤を使用します。キノコが育ちにくい土壌を作るのが根本的な解決方法です。
毎日、朝になると庭の芝生にたくさんのキノコが生えてきます。傘の形は三角形で、軸は細くて長さは5cmほどのヒョロっとしたキノコです。朝はたくさん生えていても、昼頃になるとしなびて無くなります。
キノコを見つけたらできるだけ手で取るようにしていますが、日々増えてきているように感じます。良いキノコの駆除方法を教えてください。もしかしてそのまま放置していても大丈夫なのでしょうか?
芝生にキノコが生えてくることはよくあること
まずは芝生にキノコが生えてくる原因について説明します。芝生のキノコは、胞子を飛ばして繁殖することが目的で生えてきます。なぜキノコが生えてくるかといえば、芝生の下の土壌でキノコ菌が繁殖しているからです。
キノコ菌は、土壌が、高温、多湿、通気性が悪い、サッチが堆積しているなどの環境で繁殖します。つまり、土壌の中のキノコ菌を駆除して予防しない限り、キノコを手で抜いても、また生えてくるイタチごっこになります。
芝生にキノコが生えてくることは、多くの芝生愛好家が経験しているよ。6~7月の梅雨時期に生えてくることが多いそうです。
キノコ菌の繁殖を抑えるためには、殺菌剤を使用します。ホームセンターなどでも購入できます。このとき必ず芝生に悪影響がない殺菌剤を購入してください。グラステン水和剤という殺菌剤がよく使われます。グラステン水和剤は駆除できるだけではなく、再発予防効果もあります。使い方は説明書に詳しく書かれているので、初心者でも大丈夫です。
殺菌剤を散布することで、一時的にキノコ菌を駆除できます。しかし、高温、多湿、通気性が悪い、サッチが堆積した土壌では、殺菌剤の効果がなくなれば再びキノコ菌が繁殖することになります。可能であれば、サッチングやエアレーションで通気性の良い土壌に改良し、キノコ菌が繁殖しにくい環境に変えてしまうのがベストな方法です。
サッチがなく通気性の良い土壌は芝生の成長にも好影響を与えるので、芝生の更新作業は定期的にすると良いでしょう。
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キノコを放置しているとどうなるの?
高麗芝の場合は、多少のキノコであれば、そのまま放置していても大丈夫だと思います。ただし、キノコが多く生えてくる場合は、芝生に悪い影響を与えてしまうので対処が必要です。
高麗芝であれば、すぐに芝生がダメになることはないので、そんなに神経質にならなくても良いでしょう。
キノコ菌が増えすぎると、芝生がキノコを中心に炎上に色が濃くなったり・枯れたりするするフェアリーリング病になる場合があります。芝生を育てていればよく発生する病気の一つです。
この場合は、芝生が水不足になり芝生が枯れてしまう場合があるので、「グラステン水和剤」などを使って対処してください。
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フェアリーリング病【芝生の病気】
キノコの種類
質問にあったキノコは、シバフタケだと思います。ナメコの一種で、梅雨から秋にかけてよく発生します。茶色で1cm~5cmの大きさの傘を持ち、軸の長さは5cmほどのキノコです。成長すると傘を開き、そこから胞子を飛ばして繁殖します。
芝生に生えるキノコは50種類以上もあるので、その中から一般的なものをいくつか紹介します。
名前 | 形状 | 発生時期 |
---|---|---|
ヒメホコリタケ | 白くて球状の形。表面にトゲがある | 梅雨〜秋 |
シバフタケ | 茶色で1cm~5cmの大きさの傘を持ち、軸の長さは5cmほど | 梅雨〜秋 |
キコガサタケ | 細長い茎に小さな傘が付いている。全体的に白っぽい色 | 梅雨〜秋 |
ハラタケ | 色は白く、マッシュルームに近い形。傘の大きさは5~15cmm | 春〜秋 |
ドクベニタケ | 鮮やかな赤色のカサを持った毒キノコです。傘の直径は3~10cm | 夏〜秋 |
キノコ菌が育ちにくい環境をつくることを心がけましょう
キノコを手で抜くにしても、殺菌剤を使用するにしても、いずれも対処的な方法です。
やはり一番良いのはキノコ菌が繁殖しないような土壌づくり、要するにサッチがなく通気性の良い土壌にすることが、根本的な対策となります。キノコを駆除するというよりも、芝生が育ちやすい土壌づくりを行うことで、自然とキノコも生えてこなくなるでしょう。