はじめに
「庭に芝生があったらなぁ…」。そんな憧れをお持ちのあなたへ。DIYで芝生を敷くことは、思ったよりも簡単で、費用も抑えられます。この記事では、芝生を敷くためのステップ、必要な道具、芝生の種類、メンテナンス方法、費用目安、そして芝生を敷くのに適した時期について、わかりやすく解説していきます。
芝生を敷くためのDIY方法
芝生を敷く方法は、大きく分けて「芝生張り」と「種まき」の2種類があります。 DIYで手軽に始めたい場合は、すでに成長した芝生のマットを敷く「芝生張り」がおすすめです。ここでは、芝生張りの方法を中心に解説していきます。
芝生張りの手順
芝生張りは、以下の手順で行います。
- 土づくり: 水はけの良い土壌を作るために、30cmほどの深さを耕し、川砂などを混ぜ込みます。
- 整地: 表面が平らになるように整地します。水はけをよくするために、外側が低くなるように緩やかな傾斜をつけます。 また、芝生を植える範囲を決めたら、芝の侵入を防ぎたい場所にエッジングをしておきましょう。
- 芝張り: ソッドと呼ばれるマット状の芝生を地面に並べていきます。 並べ方にもいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。
- べた張り: 隙間なく敷き詰める方法です。完成が早く、見栄えも良くなりますが、その分多くの芝生が必要になります。 狭い面積に芝生を張る場合や、すぐに芝生を完成させたい場合におすすめです。
- 目地張り: 2~5cmの間隔を空けて張る方法です。芝生を節約できますが、生え揃うまでに時間がかかります。費用を抑えたい場合や、作業の手間を減らしたい場合に適しています。
- 市松張り: 市松模様に張る方法です。目地張りよりもさらに芝生を節約できますが、完成までに時間がかかります。のんびり芝生を育てたい方におすすめです。
- すじ張り: 5~10cm幅にカットした芝生を、間隔を空けて横一列に並べる方法です。傾斜地に適しています。
- 圧着: 芝生と地面を密着させるために、板などを敷いて上から踏み固めます。
- 目土: 芝生の上に砂や土を入れて、隙間を埋めます。芝生の葉が隠れないように注意しましょう。目土は、芝生の生育を助け、表面を平らにする役割があります。
- 水やり: 根付くまで、たっぷりと水やりをします。 水やりは、芝生の根に水分を供給し、生育を促すために非常に重要です。
芝生を張るときのコツ・注意点
- 芝生は、重ねて置くと蒸れて傷んでしまうため、立てて保管します。
- 目地を十字にしないように、上下の列で半分ずつずらして張ります。十字にすると、目地に沿って雨水が流れやすくなり、目土が流れて芝生が剥がれる原因になります。
- 芝生は劣化が早いため、その日に張る分だけを購入しましょう。
- 目土は、川砂が理想ですが、塩抜きした海砂でも代用できます。
- 根付くまでは、芝生の上を歩かないようにしましょう。
- 芝生は、他の植物よりも比較的土壌を選びませんが、育ちやすい土壌のpH値は弱酸性から中性です。
- 水はけをよくするために、地面全体をわずかに一方向に傾斜をつけると、表面排水によって水が溜まりにくくなります。
芝生の種類と特性
芝生は、大きく分けて「暖地型」と「寒地型」の2種類に分類されます。 さらに、数種類の芝を混合して一年中緑色を保つ「混合芝生」もあります。
暖地型芝生
日本の高温多湿な気候に適した芝生です。冬は休眠して茶色くなりますが、春になると再び緑色に戻ります。 また、西洋芝と比べて、葉が硬めの品種が多いのも特徴です。
- 高麗芝: 日本で最も一般的な芝生です。葉が細く、密生して美しい芝生を作ります。 週末だけの管理でも、きれいな状態を保ちやすい品種です。
- 野芝: 葉が広く、丈夫で、踏圧に強い芝生です。
- 姫高麗芝: 高麗芝よりも葉が細く、密生度が高い芝生です。
- ティフトン芝: バミューダグラスの一種で、生育が旺盛で、踏圧に強い芝生です。
寒地型芝生
寒さに強く、冬でも緑色を保ちます。葉が柔らかく、さわり心地が良いのが特徴です。
- ケンタッキーブルーグラス: 緑色が濃く、美しい芝生です。
- ペレニアライグラス: 発芽と初期生育が早い芝生です。
- トールフェスク: 耐暑性・耐乾燥性に優れた芝生です。
- クリーピングベントグラス: 葉が細かく、美しい芝生を作ります。
芝生を敷くのに必要な道具や材料
芝生を敷くために必要な道具や材料は、以下の通りです。
道具・材料 | 説明 |
---|---|
芝生 | 張り芝用ソッド、または種子 |
土 | 培養土、または水はけのよい土 |
砂 | 川砂、または塩抜きした海砂 |
スコップ | 土を掘り返したり、混ぜたりするのに使用します。 |
シャベル | 土を運んだり、平らにならしたりするのに使用します。 |
クワ | 土を耕すのに使用します。 |
レーキ | 土を平らにならしたり、小石などを取り除くのに使用します。 |
トンボ | 土の表面を細かく整えるのに使用します。 |
芝生バサミ | 芝生をカットするのに使用します。 |
軍手 | 手を保護するために使用します。 |
ジョウロ | 水やりに使用します。 |
撒き砂 | 目土に使用します。 |
圧着ローラー | 芝生を地面に密着させるために使用します。 (板などで代用可能) |
目串 | 傾斜地に芝生を張る際に、芝生がずり落ちないように固定するのに使用します。 |
防草シート | 雑草が生えるのを防ぐために、土壌の下に敷きます。(任意) |
肥料 | 芝生の生育を促進するために使用します。(任意) |
芝生を敷いた後のメンテナンス方法
せっかく敷いた芝生を、長く美しく保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。芝生張りの後、そしてその後も継続して行うメンテナンス作業について解説して行きます。
水やり
芝生にとって、水は光合成の促進、養分の供給などに欠かせない存在です。 根付くまでは、土の表面が乾かないように、毎日水やりをします。 根付いた後は、土の状態を見ながら水やりの頻度を調整します。 芝張り直後の芝生は、根が短く水分を吸収する力が弱いため、特に乾燥しやすくなっています。 そのため、たとえ4月に芝張りを行ったとしても、毎日水やりをする必要があります。 また、水の与えすぎは、病害や藻の発生の原因となるため、注意が必要です。
芝刈り
芝生の高さを均一に保つために、定期的に芝刈りをします。芝刈りの頻度は、芝生の種類や生育状況によって異なります。 芝刈りを行うことで、根元までしっかり太陽の光が当たり、通風も良くなるため病害虫の防除にも役立ちます。 また、芝張り後、芝生が成長していなくても穂が出てくることがあります。 この場合は「穂刈り」を行いましょう。 穂刈りをすることで栄養分を根に回すことができ、芝生の成長を早めることにつながります。
目土入れ
芝生の表面の凹凸を修正したり、芝生の生育を促進したりするために、目土を入れます。 目土入れは、芝張り直後だけでなく、その後も定期的に行うことで、芝生の状態を良好に保つことができます。
肥料
芝生の生育を促進するために、肥料を施します。肥料の種類や量は、芝生の種類や生育状況によって異なります。
エアレーション
土壌に通気性を持たせるために、ローンスパイクなどで芝生に穴を開けます。 ローンスパイクは、芝生に穴を開けて空気や水、肥料の通りをよくするエアレーションという作業に使う道具です。
雑草駆除
芝生に生えてくる雑草は、こまめに取り除きます。 見つけたらすぐに手で抜き取るのが一番効果的です。 手で取りきれない場合は、除草剤を使用しましょう。
サッチング
枯れた芝生や根などのサッチを取り除きます。 サッチは、新しい芝生の生育を妨げるため、定期的に取り除く必要があります。 サッチを取り除くには、レーキやほうきを使う方法のほか、サッチ分解剤やサッチングマシンを使用する方法もあります。 サッチ分解剤は微生物を使ってサッチを分解するので、安全で簡単です。
DIYで芝生を敷く際の費用目安
DIYで芝生を敷く場合、芝生や土などの材料費が主な費用となります。
項目 | 費用目安 |
---|---|
天然芝 | 1,500~3,000円/㎡ |
土壌改良材 | 500~1,000円/㎡ |
肥料 | 500~1,000円/㎡ |
道具 | 5,000~10,000円 (スコップ、レーキ、トンボなど) |
業者に依頼する場合は、上記の費用に加えて、施工費用が3,000~6,000円/㎡程度かかります。
芝生を敷くのに適した時期
芝生を敷くのに適した時期は、春(3月~5月)と秋(9月~10月)です。
- 春: 気温が上がり、芝生の生育が活発になる時期です。梅雨前に芝生を張ると、水やりの手間が省けます。
- 秋: 夏の暑さが和らぎ、芝生が根付きやすい時期です。
夏は暑すぎ、冬は寒すぎるため、芝生を敷くのには適していません。 また、種まきを行う場合は、発芽に20℃以上の気温が必要になります。
まとめ
DIYで芝生を敷くことは、決して難しいことではありません。この記事で紹介した手順やコツを参考に、ぜひ自分だけの美しい芝生を作ってみてください。芝生は、適切なメンテナンスを行うことで、長年楽しむことができます。完成した芝生で、寝転んだり、遊んだり、バーベキューをしたり…夢が広がりますね!