芝生の根を切るための道具
ターフカッターとは、先端の丸くて薄い刃を芝生に突き刺すことで、芝生の根を切る事ができる道具です。
芝生の更新作業である「スライシング」や、芝生の際(エッジ)部分を綺麗に仕上げるエッジ処理、芝生を部分的に植え直す「補植」などの時に使用されます。
綺麗な芝生を育てる手入れには必要になりますので、用意しておいて損は無い道具の一つです。
ターフカッターの用途
ターフカッターは目的で使用されます。
ターフカッターは単に根を切るだけの道具ですが、スライシング、エッジ処理、補植など、さまざまな作業で使用されます。では芝生の根を切る作業は、どのような目的で行うのでしょうか?
スライシング
芝生の古い根をターフカッターで切る作業
スライシングとは芝生の更新作業の一つで、芝生の古い根を切ることで新陳代謝を良くして、芝生の成長を促すことができる芝生の更新作業の一つです。(この芝生の古い根を切ることは「根切り」とも呼ばれています)
根を切ることで切り口から新しい根が生えてくるくる効果に加えて、床土の通気性を改善したり、水はけを良くしたりする効果もあります。
そして、スライシングの際、古い芝生の根を切るために、一般的に使用されるのが「ターフカッター」です。
↓芝生のスライシングや更新作業についてはこちらをご覧ください。
エッジ処理
ターフカッターを使って、芝生の際を綺麗に仕上げる。
長年芝生を育てていると、コンクリート、レンガ、土などの境目の部分に根が密集して、どうしても芝生が盛り上がってしまいます。そこで、ターフカッターを使って芝生の根を切り、余分な芝生を取り除きます。
他の道具でも代用が可能ですが、ターフカッターを使って芝生に切れ目を入れることで、芝生を剥がしやすくなり、エッジ処理が効率的になります。
補植
ターフカッターを使って古い芝生を切り出す。
ターフカッターは、芝生の補植作業にも使用されます。
芝生が部分的に枯れてしまったり元気がない時に、その部分のみ剥がして、新しい芝生に植え直すことがあります。(これを芝生の補植と呼びます)
そして、古い芝生を剥がす時には、芝生の根を切って植え直す部分の芝生を切り出す必要があり、この作業にターフカッターが使用されます。
芝生の根を切るだけなら「鎌」や「シャベル」などでも代用できますが、ターフカッターは芝生の根を切る目的で作られた道具なので、効率的に作業が可能になります。
ターフカッターの構造
芝生の整形や根切りをしやすい構造
では、芝生の根を切るだけの用途で作られた「ターフカッター」はどのような構造になっているのでしょうか?
ターフカッターは、上部に手で持つための「ハンドル」が付いており、見た目には、スコップのような形をしています。先端には薄くて丸い刃がついた構造になっており、この部分で芝生の根を切ることができます。
商品によっては、刃の上部が、ローンスパイクのように足で踏み込めるような形状をしており、硬い芝生の場合でも、力を入れて作業できるようになっています。
ターフカッター選びのポイント
切れ味と価格のバランスが重要
ターフカッター選びで重要なのは「切れ味」です。しかし、切れ味は刃の材質によって左右され、ほとんどの場合、切れ味の良い商品はその分値段も高くなります。
個人的には、よほど作業効率にこだわらなければ、1,000円から2,000円のターフカッターで十分だと思います。
まずは低価格のターフカッターを「お試し感覚」で購入して使ってみてから、「切れ味が悪い」「力が入れにくい」など不満に思うようであれば、性能の良いターフカッターに買い換えれば良いと思います。
バロネスというメーカーのターフカッターは、特殊熱処理した炭素工具鋼をしており、切れ味は抜群のターフカッターです。価格は1万円以上もしますが、作業効率にこだわる人にはおすすめの商品です。バロネスは性能の良い芝刈り機で有名なメーカーですが、芝生に関する様々な商品も発売しており「高価だが性能が良い」ことで芝奴隷には人気のメーカーです。
ターフカッターの使い方
先端の刃を芝生に突き刺して体重をかける。
ターフカッターは、先端の刃を芝生に垂直に突き刺して、ハンドルの部分を持ちながら体重をかけることで、芝生の根を切ることができます。芝生の床土が柔かい場合は、この方法で簡単に芝生の根を切ることができます。
しかし、芝生の床土が固い場合は刃土に刺さってくれません。その場合は、刃の上部に足を置いてから「全体重をかける」「左右交互に力を入れる」など、さらに力を入れることで、切ることが出来ると思います。
固くて切りにくい芝生の場合は、刃の全体で切るのではなく、刃の半分を使って少しずつ切り進めることで、作業がしやすくなります。
ターフカッターを使ったスライシングの方法
芝生全体に等間隔で切れ目を入れる。
ターフカッターを使って20~30cm間隔で芝生に切れ目を入れていきます。
スライシングの効果を求めたい時には更に切る間隔を狭めていきます。縦方向と横方向に切れ目を入れても良いと思います。
スライシングは、芝生全体に切れ目を入れる(芝生の根を切る)ことになるので、たいへん疲れる作業となります。特に芝生の床土が固い場合は、かなりの労力が必要となります。
雨の翌日や雨上がりのスライシングは、土が柔らかくなっており「サクサク」と作業が進むのでオススメ。
価格と購入方法
1,500円〜15,000円と値幅が大きい
ターフカッターは、安い商品では1,500円くらい〜高い商品では15,000円くらいと、幅広い値幅で販売されているので、ご自身の予算合わせて選べることができます。
ターフカッターはホームセンターや園芸店で販売されているので、手軽に購入することができます。
ただし、ホームセンターの場合は、低価格帯のターフカッターの取り扱いが中心となっていますので、高価格帯のターフカッターが欲しい場合は、インターネット通販で購入することになります、
私が使用しているのは、芝生の道具で有名なキンボシのターフカッターです。近所のホームセンターで2,000円くらいで手に入れることが出来ました。
ターフカッターのまとめ
使用する場面が多いターフカッター
ここまで、紹介したように、ターフカッターは芝生の根を切るための道具です。
主に、スライシング、エッジ処理、補植などの芝生のメンテナンスで使用され、活躍する場面も多いので、芝生の管理を効率的にするために、持っておいても損はない道具の一つです。
ターフカッターの代用ができる道具
スライシング、エッジ処理、補植などの作業は、要するに「芝生の根を切る」ことができれば良いので、ターフカッター以外の道具で代用することもできます。
スライシングが出来る芝刈り機
リョービから発売されている芝刈り機の中には、オプションのアタッチメントを取り付けることで、芝生のスライシングができるタイプがあります。電動でスライシングの刃が動くので、楽にスライシングをすることができます。
キンボシ ローラーカッターDX 4020
円盤状の刃が垂直についた、芝生の根切り用のカッターです。芝生の根切りを効率的に行うことができます。
一般家庭にある道具
先端が鋭利な道具であれば芝生の根切りは可能です。作業効率は落ちますが、スコップ、シャベル、鎌、大きめのカッターナイフなどでも代用が出来ると思います。