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自分で芝生を植える

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床土つくりに必要な道具 芝生の植え方
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芝生の種類と特性

芝生を自分で植える際には、まず芝生の種類とそれぞれの特性について理解することが重要です。芝生は大きく分けて、日本の気候に適した日本芝と、西洋から輸入された西洋芝の2種類に分類されます。

日本芝は、高温多湿な日本の気候に適応しており、夏に強く冬に休眠する暖地型芝草です。生育適温は24~35℃です。 代表的な種類としては、高麗芝野芝姫高麗芝などがあります。  

  • 高麗芝
    • 日本で最も一般的な芝生です。
    • 葉は細く、密生して美しい芝生を作ります。
    • 耐暑性、耐乾性に優れています。
    • 沿岸部に自生しているため、耐塩性も高いです。  
    • ホームセンターなどで入手しやすく、価格も比較的安価です。
     
  • 野芝
    • 日本芝の中でも最も耐寒性が高く、野生種に近い品種です。
    • 葉は硬く、踏圧に強いため、公園やゴルフ場などで多く利用されています。
    • 成長が遅く、手入れがしやすいという特徴があります。
    • 日本芝の中では、最も日陰に強い品種です。  
     
  • 姫高麗芝
    • 高麗芝の中でも葉が細く、密生度が高い品種です。
    • 美しい芝生を作りますが、こまめな手入れが必要です。
     

西洋芝は、寒さに強く冬でも緑を保つ寒地型芝草です。生育適温は15~25℃です。 代表的な種類としては、ケンタッキーブルーグラスベントグラスライグラスなどがあります。  

  • ケンタッキーブルーグラス
    • 寒地型芝草の中でもポピュラーな品種です。
    • 葉は繊細で柔らかく、美しい芝生を作ります。
    • 北海道や東北地方など、冷涼な地域に適しています。
     
  • ベントグラス
    • 葉が柔らかく、密度の高い芝生を作ります。
    • 低刈りにも耐えるため、ゴルフ場のグリーンなどに利用されます。
    • 日本の高温多湿な環境には弱く、管理が難しい品種です。
     
  • ライグラス
    • 一年生の寒地型芝草で、オーバーシーディングによく利用されます。
    • 発芽・定着が早く、冬枯れする暖地型芝草を覆い隠すように成長します。
    • オーバーシーディングとは、冬に休眠する暖地型芝草の上に、冬でも緑を保つ寒地型芝草の種を蒔くことで、一年中緑の芝生を楽しむ方法です。  
     

西洋芝の中には、バミューダグラスのように暖地でよく育つ品種もあります。  

  • バミューダグラス
    • 生育が旺盛で、短期間で密度の高い芝生を作ります。
    • 運動競技場や公園など、耐久性が求められる場所に適しています。
    • 芝刈りの頻度が高く、こまめな管理が必要です。
     

日本芝と西洋芝の管理の手間

一般的に、日本芝は西洋芝に比べて管理の手間が少なくて済みます。 西洋芝は、日本芝よりも成長スピードが早いため、芝刈りや水やり、肥料などの回数も多くなります。 手入れに時間をかけられない場合は、日本芝を選ぶと良いでしょう。  

芝生の生育型

芝生の生育の仕方には、大きく分けて、「ほふく茎型」、「根茎型」、「叢生(そうせい)型」の3つのタイプがあります。  

  • ほふく茎型: ほふく茎を伸ばして横方向に広がります。高麗芝、野芝、バミューダグラスなどはこのタイプです。  
  • 根茎型: 地下に根茎を伸ばして増えます。ケンタッキーブルーグラスなどはこのタイプです。  
  • 叢生型: 株立ちになり、横に広がらずに密集して成長します。トールフェスクなどはこのタイプです。  

これらの生育型の違いは、芝生がダメージを受けた際の回復力に影響します。ほふく茎型や根茎型の芝生は、周りの茎や根茎から再生するため、自然回復力が高いです。  

庭の環境に合った芝生の種類を選ぶ

自分の庭の環境に合った芝生を選ぶことは、美しい芝生を維持するために非常に重要です。

  • 日当たり
    • 芝生は日当たりの良い場所を好みます。  
    • 1日5時間以上日が当たる場所を選びましょう。  
    • 日陰が多い場合は、耐陰性のある品種を選びましょう。ノシバは日本芝の中で最も耐陰性があります。  
  • 水はけ
    • 芝生は水はけの良い土壌を好みます。  
    • 水はけが悪い場合は、土壌改良を行いましょう。  
  • 土壌
    • 芝生は、水はけが良く、保水性も多少ある土壌を好みます。  
    • 土壌のpHは弱酸性から中性が適しています。  
    • 必要であれば、堆肥や石灰などを施して土壌改良を行いましょう。  
  • 地域
    • 日本の気候は地域によって大きく異なるため、地域に適した芝生を選びましょう。  
    • 関東以西の温暖な地域では、日本芝が育てやすいです。  
    • 北海道や東北地方などの寒冷地では、西洋芝が適しています。  

芝生を植える時期

芝生を植える時期は、芝生の種類や地域によって異なります。

  • 日本芝
    • 一般的に、春(3月中旬~5月末)に植えるのが最適です。  
    • この時期に植えることで、梅雨の時期に水分を確保しやすくなるため、芝生の成長を促進できます。  
    • 秋に植えることも可能ですが、冬までに根付かせる必要があるため、注意が必要です。  
  • 西洋芝
    • 春(4月~6月)または秋(9~10月)に植えるのが一般的です。  
    • 夏に植える場合は、水切れに注意が必要です。  
    • 冬に植えることは避けましょう。  

土壌の準備

芝生を植える前に、土壌をしっかりと準備しておくことが大切です。

耕す

  • 植え付け場所の土を、スコップなどを使って深さ30cm程度耕します。  
  • 土壌中の石や雑草の根などを丁寧に取り除きます。

整地する

  • 耕した土を、レーキなどを使って平らにならします。  
  • 水はけをよくするために、緩やかな傾斜をつけると良いでしょう。  
  • ローラーや板などを使って、土を固めます。  

肥料を混ぜる

  • 土壌に肥料を混ぜ込みます。  
  • 使用する肥料は、芝生用の緩効性肥料がおすすめです。  
  • 肥料の量は、土壌の状態や使用する肥料の種類によって調整しましょう。

芝生の植え方

芝生の植え方には、べた張り目地張り市松張りすじ張りなど、いくつかの方法があります。  

  • べた張り
    • 芝生を隙間なく敷き詰める方法です。  
    • 最も早く芝生が仕上がりますが、芝生の量が多く必要になり、コストも高くなります。  
  • 目地張り
    • 芝生と芝生の間に隙間を空けて敷き詰める方法です。  
    • 芝生の量が少なくて済み、コストを抑えられますが、芝生が隙間を埋めるまで時間がかかります。  

家庭で芝生を植える場合は、べた張りまたは目地張りがおすすめです。  

芝生の植え付け手順  

  1. 芝生を植える場所を決める
  2. 雑草を抜き、土壌を整地する: 植え付け場所の雑草を丁寧に抜き取り、土壌を耕して整地します。
  3. 必要な場合は排水対策をする: 水はけが悪い場合は、排水溝を設置するなどの対策をしましょう。
  4. 芝生を並べる: 芝生を、選んだ植え方(べた張り、目地張りなど)に従って並べていきます。
  5. 目土をかけて隙間を埋める: 目土を芝生の間にかけ、隙間を埋めます。
  6. 転圧ローラーや板などを使って、土と芝生を密着させる: ローラーや板などを使い、芝生を地面にしっかりと密着させます。
  7. たっぷりと水やりをする: 芝生全体に、たっぷりと水やりをします。

芝生の植え付け後の養生

芝生を植え付けた後は、根付くまでの間、以下の点に注意して養生しましょう。  

  • 水やり: 土が乾かないように、こまめに水やりをします。特に、植え付け直後は、朝と夕方の2回水やりをするのがおすすめです。  
  • 歩行: 根付くまでは、芝生の上を歩かないようにしましょう。  
  • 肥料: 根付くまでは、肥料を与えないようにしましょう。  
  • 芝刈り: 根付くまでは、芝刈りを行わないようにしましょう。  

必要な道具・材料

芝生を植えるために必要な道具・材料は、以下の通りです。

道具  

  • スコップ: 土を耕したり、整地したりするのに使います。
  • レーキ: 土を平らにならしたり、小石や雑草を取り除いたりするのに使います。
  • トンボ: 土の表面を細かく整地するのに使います。
  • ローラー: 土を固めるのに使います。
  • : 土を固めたり、芝生を平らにならしたりするのに使います。
  • 水平器: 地面の傾斜を測るのに使います。
  • ターフカッター: 芝生を必要な大きさにカットするのに使います。
  • ふるい: 目土を均一に撒くのに使います。
  • 散水ホース: 水やりに使います。
  • ジョウロ: 水やりに使います。

材料  

  • 芝生: 張り芝、または芝生の種
  • 芝生用土: 水はけの良い土
  • 目土: 芝生の隙間を埋めるための土
  • 肥料: 芝生の生育を促進するための肥料
  • 堆肥: 土壌改良材

水やりと肥料の与え方

水やり

芝生は、生育期間中は十分な水やりが必要です。水は、芝生の約80%を占めており、水分量が10%減少すると芝生はしおれて枯れてしまいます。  

  • 水やりのタイミング: 土の表面が乾いたら水やりをします。  
  • 水やりの頻度: 季節や天候によって調整します。
    • 春と秋は3~4日に1回程度
    • 夏は毎日
    • 冬は休眠期のため、基本的に水やりは不要
     
  • 水やりの時間帯: 午前中の涼しい時間帯に行うのが最適です。気温が高い時間帯に水やりをすると、根が蒸れて芝生の生育に悪影響を及ぼします。  
  • 水やりの量: 1平方メートルあたり10リットル程度が目安です。芝生の根は長く、土壌の奥深くまで水が届くように、たっぷりと水やりをしましょう。  
  • 水やり方法: 散水ホースの先端に散水ノズルを取り付け、シャワー状に水をまきます。  
  • 芝生の病気: 水やりが適切でないと、葉枯病、さび病、うどんこ病などの病気を引き起こすことがあります。 異常を見つけたら、早めに対応しましょう。  

肥料

芝生には、生育を促進するために肥料を与えます。  

  • 肥料の種類: 芝生専用の肥料を使用しましょう。 芝生には、窒素、リン酸、カリウムの3つの要素が特に重要です。
    • 粒状肥料: ゆっくりと長く効果が持続します。  
    • 液体肥料: 素早く効果が現れます。  
    • 有機質肥料: 土壌を豊かにします。
    • 化成肥料: 即効性があります。
     
  • 肥料の与え方: 肥料の説明書きをよく読んで、適切な量と方法で与えましょう。
  • 肥料を与える時期: 生育期間中(3月~11月)に与えます。 春と秋に重点的に与え、夏は控えめにします。  
  • 肥料焼け: 肥料の与えすぎは、肥料焼けを起こす可能性があります。 肥料を与えた後は、たっぷりと水やりをして肥料を土壌に浸透させましょう。  
  • 晩秋の施肥: 晩秋に肥料を与えることで、翌春の芝生の生育を促進することができます。  
  • 肥料の選び方:
    • 水平型肥料: 窒素、リン酸、カリウムに加えて、マグネシウムも含まれています。酸性土壌でマグネシウムが不足しやすい場合に有効です。  
    • 春に肥料の効果が持続している場合は、施肥は不要です。  
    • 芝刈りの回数を減らしたい場合は、施肥量を控えめにします。  

芝生の管理方法

芝刈り

芝刈りは、芝生の美観を保つために欠かせない作業です。 また、芝刈りをすることで、芝生の密度を高め、雑草の発生を抑えることができます。  

  • 芝刈りの頻度: 芝生の種類や生育状況によって異なります。
    • 一般的には、生育期間中は週に1回程度
    • 芝生の長さが3~4cmになったら刈りましょう。  
     
  • 芝刈りの高さ: 3~5cm程度が目安です。  
  • 芝刈りの方法: 芝刈り機を使用するのが一般的です。
    • 芝刈り機の種類には、手動式、電動式、エンジン式などがあります。
     
  • 軸刈り: 芝刈り機で芝生を短く刈りすぎると、軸刈りになってしまうことがあります。
    • 軸刈りとは、芝の葉が全て刈り取られて茎だけになってしまうことです。
    • 軸刈りをしてしまうと、芝生が枯れてしまうことがあります。
    • 軸刈りを防ぐためには、「1/3ルール」を守りましょう。 「1/3ルール」とは、芝生の長さを1/3以上刈り込まないというルールです。  
     
  • 芝刈り機の手入れ: 芝刈り機を使った後は、刃を綺麗に拭き取り、切れ味が悪くなった場合は研ぎに出すなど、こまめに手入れを行いましょう。 汚れをそのままにしておくと、刃が錆びて芝刈り機の不具合につながることがあります。  

雑草対策

芝生に雑草が生えてしまうと、美観を損なうだけでなく、芝生の生育を阻害することがあります。  

  • 雑草対策:
    • こまめな芝刈り: 定期的に芝刈りをすることで、雑草の生育を抑え、芝生の密度を高めることができます。  
    • 芝生の密度を高める: サッチングやエアレーション、目土などを行い、芝生の密度を高めることで、雑草が生えにくい環境を作ることができます。  
    • 手で雑草を抜く: 地下茎のない雑草は、手で丁寧に抜き取りましょう。  
    • 除草剤を散布する: 手で取り除くのが難しい雑草には、除草剤を散布する方法もあります。 芝生に使用する際は、芝生を枯らさない選択性除草剤を選びましょう。  

エアレーション

エアレーションは、芝生に穴を開けることで、水はけや通気性を良くする作業です。  

  • エアレーションの目的:
    • 土壌に酸素を供給する
    • 水はけを良くする
    • 肥料の浸透を良くする
    • 根の成長を促進する
  • エアレーションの方法: ローンスパイクやエアレーション用の道具を使って、芝生に穴を開けます。
  • エアレーションの頻度: 年に1回程度行うのがおすすめです。  

サッチング

サッチングとは、芝生の中に溜まったサッチ(枯れ葉や刈りカスなど)を取り除く作業です。  

  • サッチングの目的:
    • 水はけや通気性を良くする
    • 病害虫の発生を防ぐ
    • 芝生の生育を促進する
  • サッチングの方法: 熊手やサッチングレーキなどを使って、サッチをかき集めます。
  • サッチングの頻度: 年に1回程度行うのがおすすめです。

目土

目土は、芝生の表面に土を薄くかける作業です。  

  • 目土の目的:
    • 芝生の生育を促進する
    • 地面の凹凸をなくす
    • 水はけを良くする
    • 病気の発生を防ぐ
  • 目土の種類: 川砂、混合土、粒状などがあります。  
  • 目土の方法: スコップやふるいなどを使って、目土を均一に撒きます。

結論

自分で芝生を植えることは、手間と時間のかかる作業ですが、緑の芝生が庭に広がる喜びは格別です。芝生の種類と特性を理解し、庭の環境に合った芝生を選び、適切な管理を行うことで、美しい芝生を長く楽しむことができます。

自分で芝生を植えるためのステップ

ステップ内容詳細必要な道具・材料
1芝生の種類を選ぶ庭の環境(日当たり、土壌、地域など)に適した芝生の種類を選びましょう。
2植え付け時期を決める芝生の種類や地域に適した時期に植え付けを行いましょう。
3土壌を準備する植え付け場所の土壌を耕し、整地し、肥料を混ぜましょう。スコップ、レーキ、トンボ、肥料、堆肥
4芝生を植える芝生を並べ、目土をかけ、転圧して、水やりをしましょう。芝生、目土、ローラー、板、散水ホース
5水やりと肥料を与える適切な水やりと肥料の与え方を行いましょう。散水ホース、肥料
6芝生を管理する芝刈りや雑草対策など、適切な管理を行いましょう。芝刈り機、除草剤

芝生の種類と特性

芝生の種類特性耐暑性耐寒性耐陰性適した地域
高麗芝葉は細く、密生して美しい芝生を作る高いやや低いやや低い関東以西
野芝葉は硬く、踏圧に強い高い高い高い全国
姫高麗芝葉が細く、密生度が高い高いやや低いやや低い関東以西
ケンタッキーブルーグラス葉は繊細で柔らかく、美しい芝生を作る低い高い中間北海道、東北
ベントグラス葉が柔らかく、密度の高い芝生を作る低い高い中間北海道、東北
ライグラス発芽・定着が早い低い高い中間北海道、東北
バミューダグラス生育が旺盛で、短期間で密度の高い芝生を作る高い低い低い関東以南

まとめ

自分で芝生を植えることは、確かに手間のかかる作業です。しかし、青々とした芝生が庭に広がる様子を想像してみてください。子供たちが裸足で駆け回り、ペットが気持ちよさそうに寝転がる、そんな理想の庭が実現するのです。

この記事では、芝生の種類や特性、植え方、管理方法など、芝生を植えるために必要な情報を網羅しました。この情報が、あなたの芝生ライフの第一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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