はじめに
青々とした美しい芝生は、庭を持つ人なら誰もが憧れるものです。近年では、ガーデニングやDIY人気が高まり、自宅に芝生を敷きたいと考える人が増えています。
砂利やコンクリートの庭は、雨の日の泥はねや風の強い日の砂埃に悩まされることも。 その点、芝生は土壌を覆うことで、これらの問題を軽減し、快適な庭を作ることができます。
関西地方は、温暖な気候で芝生の生育に適した地域です。しかし、いざ芝生を庭に導入しようと思っても、
- どこで芝生を購入すればいいのか?
- どんな種類の芝生が適しているのか?
- 芝生の価格は?
- 施工や管理はどうすればいいのか?
など、わからないことがたくさんありますよね。
この記事では、関西全域で芝生を購入するのに最適な場所、そして芝生に関する基本的な知識から管理方法まで、詳しく解説していきます。
関西で芝生を購入できる場所
関西で芝生を購入できる主な場所は、以下の3つです。
- ホームセンター
- 園芸店
- 造園業者
それぞれの特徴を比較してみましょう。
1. ホームセンター
関西には、コメリ、ビバホーム、ナフコなど、多くのホームセンターがあります。ホームセンターは、DIY用品や園芸用品など、幅広い商品を取り扱っているため、芝生以外の資材も一緒に購入できるのがメリットです。
ホームセンター | 価格帯 | 芝生の種類 | サービス内容 |
---|---|---|---|
コメリ | 1,280円〜2,780円/2㎡ | 高麗芝、TM-9、姫高麗芝、野芝 | 店頭受け取り、宅配 |
ビバホーム | 価格は店舗による | TM-9、高麗芝、姫高麗芝、野芝 | 目土、肥料、除草剤などの関連商品も販売 |
ナフコ | 記載なし | 記載なし | オンラインストアあり |
バロー | 記載なし | 記載なし | 東海地方中心に展開 |
メリット
- 品揃えが豊富
- 価格が比較的安い
- 営業時間外でもオンラインストアで購入できる場合がある
- 芝生以外の資材も一緒に購入できる
デメリット
- 専門的な知識を持つスタッフが少ない場合がある
- 品種やサービス内容が限定的な場合がある
2. 園芸店
園芸店は、植物に特化したお店です。ホームセンターよりも専門的な知識を持つスタッフが多く、芝生の選び方や管理方法など、詳しいアドバイスをもらえるのがメリットです。
園芸店 | 価格帯 | 芝生の種類 | サービス内容 |
---|---|---|---|
岡造園 | 350円〜/㎡(送料込み) | 高麗芝、姫高麗芝、野芝 | 近畿圏内配達、50㎡以上から注文可能 |
GARDENERʼS TENNOUJI | 記載なし | 記載なし | 天王寺動物園入り口脇に所在 |
メリット
- 専門的な知識を持つスタッフが多い
- 品種が豊富
- 丁寧なアドバイスを受けられる
デメリット
- ホームセンターに比べて価格が高い場合がある
- 店舗数が少ない
3. 造園業者
造園業者は、庭の設計・施工・管理を行う専門業者です。芝生の販売だけでなく、土壌改良から芝張り、その後のメンテナンスまで、すべてを任せられるのがメリットです。
造園業者 | 価格帯 | 芝生の種類 | サービス内容 |
---|---|---|---|
株式会社関西造園 | 2,000円〜/㎡(姫高麗芝、目土、整地込み) | 姫高麗芝 | 芝張り工事、関西全域対応 |
泉州敷物株式会社 | 記載なし | 人工芝 | 人工芝の製造・販売・施工 |
株式会社シグノ | 記載なし | 人工芝 | 人工芝の施工 |
グリーンテック株式会社 | 記載なし | 三種混合ロール巻芝、西洋芝 | 芝生の施工・販売 |
メリット
- 芝生のプロにすべてを任せられる
- 高品質な芝生を手に入れられる
- 施工後のアフターフォローも充実している
デメリット
- ホームセンターや園芸店に比べて費用が高い
芝生の価格
芝生には、大きく分けて「日本芝」と「西洋芝」の2種類があり、価格もそれぞれ異なります。 一般的に、日本芝の方が安価で、西洋芝は高価な傾向があります。
販売店によっても価格帯は異なり、ホームセンターやオンラインストアで購入する方が安く、造園業者に依頼する方が高くなります。
- ホームセンター: 1,280円〜2,780円/2㎡
- 園芸店: 350円〜/㎡(送料込み)
- 造園業者: 2,000円〜/㎡(姫高麗芝、目土、整地込み)
- オンラインストア: 590円〜/㎡ 、3,600円〜7,040円/2㎡
芝生の種類
芝生には、大きく分けて「日本芝」と「西洋芝」の2種類があります。 それぞれの特徴を理解し、関西の気候やライフスタイルに合った芝生を選びましょう。
日本芝と西洋芝の大きな違いは、冬の間の生育状況と管理の手間です。日本芝は冬に枯れて休眠しますが、管理は比較的簡単で、コストも低いです。一方、西洋芝は冬にも緑を保ちますが、日本の高温多湿な夏に弱く、管理が難しい上にコストも高くなります。
Type | Characteristics | Maintenance | Suitability for Kansai |
---|---|---|---|
高麗芝 | 日本芝。最も一般的。芝質がきめ細かく、美しい芝生。 | 普通 | 〇 |
野芝 | 日本芝。葉幅が広く、土壌を選ばずに育つ。 | 簡単 | 〇 |
姫高麗芝 | 日本芝。高麗芝よりも葉が細く、繊細な芝生。 | 普通 | 〇 |
TM-9 | 日本芝。高麗芝の改良品種。草丈が低く、芝刈りの回数を減らせる。 | 非常に簡単 | 〇 |
つくばグリーン | 日本芝。野芝の改良品種。葉が短く、芝刈りの回数を減らせる。 | 簡単 | 〇 |
ケンタッキーブルーグラス | 西洋芝。寒さに強く、美しい青緑色。 | 普通 | △ (夏越し対策が必要) |
ペレニアルライグラス | 西洋芝。短期間の利用に適している。 | 弱 | △ (耐暑性が低い) |
ティフトン | 西洋芝。バミューダグラス類の一種。高麗芝より色が鮮やかで、葉は細く柔らかい。 | 難しい (芝刈り、施肥が多い) | △ (夏越し対策が必要) |
日本芝
日本芝は、日本の気候に適応した芝生です。高温多湿に強く、病害虫にも強いのが特徴です。冬は休眠して茶色くなりますが、春になると再び緑色に戻ります。
代表的な種類
- 高麗芝: 最も一般的な芝生。芝質がきめ細かく、美しい芝生を造ります。
- 野芝: 葉幅が広く、土壌を選ばずに育ちます。
- 姫高麗芝: 高麗芝よりも葉が細く、繊細な芝生を造ります。
- TM-9: 高麗芝の改良品種で、草丈が低く、芝刈りの回数を減らせます。 成長を抑えることで、芝刈りや施肥の回数を減らし、管理の手間を軽減できます。
- つくばグリーン: 野芝の改良品種で、葉が短く、生育が遅いのが特徴です。 TM-9と同様に、芝刈りの頻度を抑えたい方におすすめです。
西洋芝
西洋芝は、ヨーロッパ原産の芝生です。冬でも緑色を保つのが特徴ですが、日本の高温多湿な夏には弱く、こまめな管理が必要です。 美しい緑の芝生を一年中楽しみたいという方には魅力的ですが、管理の手間とコストを考慮する必要があります。
代表的な種類
- ケンタッキーブルーグラス: 寒さに強く、美しい青緑色をしています。 西洋芝の中では比較的管理しやすいですが、夏越し対策が必要です。
- ペレニアルライグラス: 短期間の利用に適しています。 耐暑性が低いため、関西では夏に枯れてしまう可能性があります。
- ティフトン: バミューダグラス類の一種。高麗芝より色が鮮やかで、葉は細く柔らかいという特徴があります。 成長が早く、春に種をまけば夏には芝生が完成しますが、施肥や芝刈りが非常に頻繁で手間がかかります。
芝生の量の計算方法
芝生の必要量は、庭の広さによって異なります。
計算方法
- 芝生を張る面積を計算します。 (例: 縦6.1m × 横4.5m = 27.45㎡)
- 余裕を見て、少し多めに購入しましょう。 (例: 27.45㎡ → 28㎡分)
- 芝生は、㎡単位で販売されていることが多いです。
- 目土の量も計算しておきましょう。 (例: 1㎡あたり2リットル)
芝生を張る時期
芝生を張るのに最適な時期は、3月中旬〜5月末です。 根が付きやすく、気温も上がるため、芝生の生育に適しています。 また、5月末頃までに芝生を張っておくと、その後は梅雨シーズンが到来し水まきが必要なくなるため管理が楽になります。
夏に芝生を張る場合は、水やりをこまめに行う必要があります。 秋に芝生を張ることも可能ですが、冬は生育が止まるため、根付くまでに時間がかかります。
芝生の張り方
日当たり
芝生を張る前に、まず庭の日当たり状況を確認しましょう。芝生は日光を好む植物なので、1日を通して少なくとも5時間ほど日の当たる場所が必要です。 日陰が多い場合は、日照時間を確保できるよう、樹木の剪定などを検討しましょう。
張り方
芝生の張り方には、大きく分けて「ベタ張り」「目地張り」「市松張り」の3種類があります。
- ベタ張り: 芝生同士を隙間なく敷き詰める方法。 雑草が生えにくく、早く仕上がりますが、芝生の量が多く必要になります。
- 目地張り: 芝生同士に隙間を空けて張る方法。 芝生の量が少なくて済みますが、仕上がりに時間がかかります。
- 市松張り: 芝生を市松模様に張る方法。 費用を抑えられますが、全面に芝生が広がるまで時間がかかります。
DIYで芝生を張る場合は、目地土から栄養を補給できる「目地張り」がおすすめです。
芝張りの手順
- 下地作り: 土壌を耕し、石や雑草を取り除きます。 水はけをよくするために、砂を混ぜるのもよいでしょう。 土壌の表面を平らにならし、水はけが悪い場合は、傾斜をつけるなどして排水対策をしましょう。
- 芝張り: 選んだ張り方で芝生を敷き詰めます。 芝生を張る際は、隙間なく、かつ重なり合わないように注意しましょう。
- 目土: 芝生と芝生の間に目土を入れます。 目土は、芝生の根を保護し、乾燥を防ぐ役割があります。 目土として、粒の細かい川砂や山砂がおすすめです。
- 鎮圧: 板などで芝生を叩き、地面に密着させます。 芝生と土壌を密着させることで、根付きがよくなります。
- 散水: たっぷりと水をまきます。 芝生を張った直後は、乾燥しやすいため、水やりは特に重要です。 土壌が水浸しになるまで、十分に水をやりましょう。
芝生の管理方法
芝生を美しく保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
主な管理作業
- 水やり: 夏場は土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。 特に、真夏日は朝夕2回の水やりがおすすめです。 冬場はほとんど必要ありませんが、乾燥が気になる場合は、月に1〜2回程度水やりをしましょう。 水やりの際は、芝生の根元まで水が浸透するように、じっくりと時間をかけて行いましょう。
- 芝刈り: 芝生の生育期に、月に1〜3回程度行います。 高さは2〜3cmを目安にしましょう。 芝刈りの頻度は、芝の種類や生育状況によって調整しましょう。 例えば、高麗芝は5月〜6月は月に1〜2回、7月〜8月は月に2〜3回、10月は1回が目安です。 西洋芝は、高麗芝よりも頻繁に刈り込む必要があります。
- 施肥: 生育期に、月に1回程度、芝生用の肥料を施します。 肥料は、芝生の生育を促進し、色つやを良くする効果があります。 液体肥料と粒状肥料があり、液体肥料は速効性がありますが、こまめな施肥が必要です。 粒状肥料は、ゆっくりと効果が持続するため、施肥の手間が省けます。
- 除草: 雑草を見つけたら、こまめに抜き取りましょう。 雑草は、芝生の生育を阻害するため、放置せずに早めに取り除くことが大切です。 除草剤を使用する場合は、芝生に影響がないか、使用方法をよく確認しましょう。
- エアレーション: 年1〜2回、芝生に穴を開けて、土壌の通気性を良くします。 エアレーションを行うことで、芝生の根の生育が促進され、健康な状態を保てます。 専用の道具を使うか、フォークなどで穴を開けることもできます。
- 目土入れ: 芝生の凹凸をなくし、生育を促進します。 目土は、芝生の根を保護し、乾燥を防ぐ役割もあります。 目土入れを行う際は、芝の葉が埋まらないように、薄く均一に撒きましょう。
“ずぼら管理”で芝生を育てる
近年注目されているのが、”ずぼら管理”と呼ばれる芝生の管理方法です。 これは、芝刈りをこまめに行うことで、他の管理作業を最小限に抑えるという方法です。
- 芝刈り: 密度を高めるために、こまめに行います。
- 水やり: 真夏以外は、基本的に行いません。
- 雑草取り: 芝刈り機で一緒に刈り取ります。
- 施肥: 春に1回だけ行います。
- 目土: 行いません。
- エアレーション: 踏み固まってしまったところだけ行います。
- サッチング: 芝刈り機で行います。
“ずぼら管理”は、手間をかけずに芝生を育てたいという方におすすめの方法です。
まとめ
この記事では、関西で芝生を購入する場所、芝生の種類、価格、芝生の量の計算方法、芝生を張る時期と張り方、そして芝生の管理方法について解説しました。
関西で芝生を購入する際は、ホームセンター、園芸店、造園業者など、さまざまな選択肢があります。 予算やニーズに合わせて、最適な場所を選びましょう。 芝生の種類も豊富なので、関西の気候やライフスタイル、そして管理の手間などを考慮して選びましょう。 西洋芝は、冬でも緑色を保ちますが、日本の気候では管理が難しい場合があるため、注意が必要です。
美しい芝生を手に入れるためには、事前の準備と計画、そして継続的なメンテナンスが重要です。この記事を参考に、理想の芝生を手に入れてください。