分類:トクサ科 > トクサ属 / 多年草 難防除雑草
英名:field horsetail, common horsetail
学名:Equisetum arvense
原産:北半球の暖帯~寒帯原産
繁殖力が強く、抜いても抜いても生えてくるスギナ
スギナ(杉菜)は多年草の雑草で、北海道、本州、四国、九州に広く分布していて、道ばたや畑、庭などによく生えています。
そんなスギナですが、実は「スギナ」と「つくし」見た目は全然違いますが、実は同じ植物です。
春の訪れを知らせる「つくし」は、子どもたちに好まれている植物ですが、繁殖力が強くで防除がしにくい「スギナ」は芝生愛好家からは嫌われています。スギナは繁殖力がものすごく強く、一度芝生に侵入すると一気に増えてしまうので、完全駆除が難しいのが嫌われている理由です。
このページでは、スギナの特徴、発生時期、発生場所、除草方法などを紹介しています。
スギナの基本情報
科目 | トクサ科 |
属名 | トクサ属 |
生育 | 多年草 |
分類 | 難防除雑草 |
英名 | field horsetail, common horsetail |
学名 | Equisetum arvense |
原産 | 北半球の暖帯~寒帯原産 |
別名 | 杉菜、ツクシ、ジゴクソウ、地獄草 |
繁殖 | 種子・地下茎 |
草丈 | 10~60cm |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
スギナの特徴
繁殖力が強い難防除雑草
スギナは、トクサ科トクサ属の多年草雑草です。
北半球の暖帯~寒帯に広く分布しており、日本では北海道、本州、四国、九州に分布しています。畑や道端などいたる所に生息し繁殖力がものすごく強いので、難防除雑草の一つとして嫌われています。
それでは、スギナの特徴を見ていきましょう。
スギナとつくしの関係
スギナとつくしは実は同じ植物
スギナとつくしは見た目は全然違いますが、実は同じ植物です。栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシと呼んでいます。
まず、春にツクシと呼ばれる胞子茎が生長して、胞子により繁殖を行います。そしてつくしは枯れてしまいます。その後、同じ根茎からスギナと呼ばれる栄養茎が現れ、光合成を行って根に栄養分を蓄えながら高さ30~60㎝に生長します。
つくしは食用にもなり、春を感じる植物なので、一般的には好まれる植物ですが、農家には駆除しにくい雑草として嫌われています。
スギナの繁殖
恐竜の時代から存在するシダ植物
スギナは繁殖力がものすごく強く、恐竜の時代から存在しているシダ植物です。酸性土壌に好んで生え、一度芝生に侵入すると地下茎を伸ばしながら一気に増えてしまいます。スギナが繁殖しやすい理由として、下記の点が挙げられます。
地下茎で繁殖
スギナは地下茎の節から新しい芽や根を出して生長します。少しの節からでも再び成長できる力を持っており、たとえスギナを抜いたとしても、ほんの少し地下茎が残っているだけで、すぐに抜く前の状態に戻ってしまうほど繁殖力があります。
塊茎で繁殖
スギナの根には地下茎と塊茎があります。塊茎は地下茎に付いているこぶ状の根で、栄養をたっぷりと蓄えています。そのため、地下茎が少し残っただけでは、塊茎の栄養分で復活してしまい再び繁殖を始めます。
胞子で繁殖
胞子茎であるツクシが、周囲に胞子を飛ばして土に落ちると、そこから芽を出して繁殖します。つくしは他の植物に比べて胞子の量が多いのが特徴で、繁殖力が強い原因の一つになっています。
スギナの名前の由来
杉の木に似ているからスギナ(杉菜)
「スギナ」を漢字で書くと「杉菜」となります。姿が杉の木に似ていることから、この名前が付けられました。
「つくし」の名前の由来は、スギナに付いているので「付く子」、土を突いて出てくるので「突く子」、節を切り離しても継ぐことができるから「継く子」など、いくつかの説があります。
尚、「つくし」の漢字「土筆」は、姿が筆に似ていることからあてられた漢字です。
スギナの発生時期
春から夏にかけて増殖するスギナ。
生育期間 | 3~9月 |
開花期間 | なし |
まず春先に胞子茎(ツクシ)が生長し、胞子を飛ばしてから枯れていきます。その後、栄養茎(スギナ)が、春~夏に増殖のピークを迎えます。
スギナは多年草の植物で、涼しい土地を好むため、冬でも枯れることはありません。
スギナの発生場所
至るところに生育するスギナ
スギナは、全国に広く分布し、畑、空き地、道端、庭など至るところで生育します。どちらかというと、湿気の多い土壌を好みますが、日当たりの良い土手や芝生にも生えてきます。
スギナの除草方法
生命力が強いく駆除が困難な雑草
スギナの生命力は非常に強く、駆除が困難な雑草として有名です。一度侵入を許してしまうと、地下茎を伸ばしてあっという間に周囲に繁殖してしまうので、見つけたら直ぐに抜くことが必要です。
しかし、少しでも地下茎を残してしまうと、残された地下茎から再び繁殖を始めてしまうので、増殖と除草を繰り返す悪循環になってしまいます。そのため、手作業での除草よりも除草剤を使った除草をおすすします。
手作業による除草方法
手作業でスギナを根絶やしにするのは大変
スギナの根は深く広く成長するので、手で抜く場合でも、途中で切れてしまい地中に地下茎が残ってしまいます。
そのため、スギナを完全に駆除したいのであれば、根っこを全部取り除く必要があります。これがなかなか難しく、根気よく除草し続ける必要があります。
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除草剤による除草方法
スギナには除草剤の使用がおすすめ
スギナに効果がある除草剤として有名なのは、MCPP液剤とザイトロンアミン液剤です。
茎葉処理型の除草剤といって、スギナの葉っぱにかけて枯らすタイプの除草剤で、ゴルフ場のグリーンなどでも使用されています。
どちらの除草剤も、日本芝(高麗芝・姫高麗芝・野芝・TM9など)のみに使用できる除草剤なので、西洋芝には使えません。※MCPP液剤はケンタッキーブルーグラスにも使えます
散布が簡単なシバキープⅡ粒剤でもOK
MCPP液剤とザイトロンアミン液剤は、散布の際は水で希釈して噴霧器で吹き付ける必要があります。このような散布が難しい場合は、粒状で簡単に散布できるシバキープⅡ粒剤などの除草剤を使用するのも一つの方法です。
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MCPP液剤
MCPP液剤は、スギナを枯らすことができます。ただし、高麗芝、姫高麗芝、野芝、TM9などの日本芝と、ブルーグラス類のみに使用できる除草剤です。※ベントグラス類、フェスク類、ライグラス類などの西洋芝は枯らしてしまうので使用できません。
スギナ以外にもクローバー、カタバミなど広葉雑草の除草にも使用できる優れた除草剤です。
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ザイトロンアミン液剤
ザイトロンアミン液剤は、一年生広葉雑草や多年生広葉雑草を枯らすことが出来る除草剤です。
イネ科の植物と広葉雑草との間に選択性があるので、高麗芝、姫高麗芝、野芝、TM9などの日本芝を枯らすことなく、スギナを枯らすことができます。※西洋芝では薬害がでる(枯らしてしまう)ので使用しないでください。
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シバキープⅢ粒剤
シバキープⅢ粒剤は日本芝に対して使える除草剤です。しつこいスギナを枯らすことができますが、さらに、クローバー等の多年生広葉雑草、一年生イネ科雑草のスズメノカタビラ、メヒシバにも効果があります。
週間前後で雑草を枯らし、3ヶ月間、雑草の発生を抑える効果が続きます。
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その他の雑草
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シロツメクサ(クローバー)
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