新築の家に緑豊かな芝生を敷き詰めたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。3月は、多くの芝生にとって生育期が始まる時期であり、芝生を植えるのに最適な季節です。この記事では、3月に新築の家に芝生を植えるための手順や注意点、管理方法について詳しく解説します。
3月に適した芝生の品種
3月に芝生を植える場合、日本の気候に適した暖地型芝生を選ぶのが一般的です。 中でも、高麗芝は、3月になると新芽が出始め、成長が活発になるため、芝生を植えるのに最適な時期です。 高麗芝は、日本の風土に合っているため育てやすく、病気や乾燥にも強いという特徴があります。 また、TM9は、高麗芝を改良して作られた品種で、芝刈りの頻度が少なく、管理の手間が比較的少ない品種です。 ただし、TM9は高麗芝に比べて高価な点がデメリットです。
西洋芝を希望する場合は、寒地型のケンタッキーブルーグラスがおすすめです。 ケンタッキーブルーグラスは、寒さに強く、美しい青緑色の葉が特徴です。 しかし、高温多湿な環境には弱いため、夏場の管理には注意が必要です。 暖地型芝生は耐暑性が高く生育が旺盛ですが、寒地型芝生は日本の夏の暑さに耐えられない場合があります。 そのため、植える地域の気候条件を考慮して芝生の種類を選ぶことが大切です。
関東・近畿・中国地方では、夏は暑く冬は寒いため、芝生の選択に迷うかもしれません。どちらかといえば暖地型の方が適していますが、年中緑の芝生を楽しみたい場合は、「ウィンターオーバーシード」という方法があります。 ウィンターオーバーシードとは、春から秋までの暖かい時期は日本芝を敷いて楽しみ、秋以降の寒い時期にはその上から西洋芝の種を蒔く方法です。
品種 | タイプ | 特徴 | 適した地域 | 播種期(月) |
---|---|---|---|---|
高麗芝 | 暖地型 | 育てやすく、病気や乾燥に強い | 日本全国 | 3~5, 9 |
TM9 | 暖地型 | 芝刈りの手間が少ない | 日本全国 | 3~5, 9 |
ケンタッキーブルーグラス | 寒地型 | 寒さに強く、美しい青緑色の葉 | 北海道、東北地方、高原地帯 | 5~8 |
リオ | 暖地型 | バミューダグラスの一種 | 中間・暖地 | 4~7 |
ゼニス | 暖地型 | ノシバの一種 | 中間・暖地 | 4月中旬~7 |
芝生を植えるための準備作業
芝生を植える前に、以下の準備作業を行いましょう。
土壌の準備
芝生を健康に育てるためには、水はけの良い土壌が不可欠です。 水はけが悪い場合は、砂や腐葉土などを混ぜて土壌改良を行いましょう。 また、土壌のpH値も重要です。芝生は弱酸性から中性の土壌を好みます。 必要に応じて石灰などでpH調整を行いましょう。 土壌の状態は、その後の管理の手間にも影響します。 土壌の厚みと保水量の関係を理解しておくことも大切です。 例えば、土壌の厚みが薄い場合は、保水量も少なくなり、水やりの頻度を増やす必要があります。 土壌改良資材として、「カルスNC-R」を活用する方法もあります。 「カルスNC-R」は、芝生に適した土壌を効率よく作ることができる資材です。
整地
芝生を植える場所の石や雑草を取り除き、土壌を深さ15cmほど耕します。 土壌を平らにならし、水はけをよくするために排水方向に緩やかな傾斜をつけましょう。 最後に、ローラーなどで土を固めて平らな土台を作ります。 マット芝を使う場合は、元気な芝を選び、土をふかふかに耕しておくと、しっかりと根付きやすくなります。
エアレーション
エアレーションは、芝生に穴を開けることで、土壌の通気性を高め、根の発育を促進させる作業です。 エアレーションを行うことで、水はけや根の生育がよくなり、健康な芝生を育てることができます。
日当たりの確認
芝生は日光を好むため、1日5時間以上日が当たる場所を選びましょう。 日当たりが悪い場所では、生育が悪くなったり、枯れたりする可能性があります。
芝生を植える手順
芝生を植える手順は以下の通りです。
- 芝生を並べる 芝生は、ホームセンターなどで販売されているマット状のものを使いましょう。マット芝を並べる方法は、べた張りと目地張りの2種類があります。 べた張りは、芝生を隙間なく敷き詰める方法で、芝生が早く育ちますが、コストがかかります。 目地張りは、芝生同士の間に隙間を空けて敷き詰める方法で、コストを抑えられますが、芝生が育つまでに時間がかかります。
- 目土を入れる 芝生を並べたら、目土を入れて芝生と芝生の隙間を埋めましょう。 目土には、川砂や山砂など、水はけの良い土を使いましょう。 目土は、芝生の葉が隠れない程度に薄く入れるのがポイントです。 目土は芝生の生育を促進し、美しい景観を維持するために欠かせない作業です。 目土には、発芽促進、根の活着、成長促進などの効果があります。
- 転圧する 目土を入れたら、ローラーや板などで転圧し、芝生と土を密着させましょう。
- 水やりをする 最後に、たっぷりと水やりをしましょう。 芝生が根付くまでは、土壌が乾燥しないように注意が必要です。
芝生を植えた後の管理方法
芝生を植えた後は、以下の点に注意して管理しましょう。
水やり
芝生が根付くまでは、土壌が乾燥しないように、こまめに水やりを行いましょう。 根付いた後は、土壌の表面が乾いたら水やりをするようにします。 水やりは、早朝に行うのがおすすめです。 芝生に水をやる際は、土壌の種類に合わせて量を調整し、水が土壌に浸透していることを確認しましょう。 雨量計を使って、芝生にどれくらいの水を与えたかを確認するのも良いでしょう。 また、芝生の種類によって必要な水の量や頻度が異なります。 西洋芝は、高麗芝などの暖地型芝生に比べて乾燥に弱いため、水やりの頻度を増やす必要があります。 特に、生育初期の芝生や生育の悪い芝生は、根が十分に発達していないため、こまめな水やりが必要です。 「サッチ」と呼ばれる層は水をはじく性質があるため、十分な量の水やりが必要です。
芝刈り
芝生がある程度伸びたら、芝刈りを行いましょう。 芝刈りの頻度は、芝生の種類や生育状況によって異なりますが、一般的には月に1~2回程度です。 芝刈りには、手動式、電動式など、さまざまな種類の芝刈り機があります。 庭の広さや好みに合わせて、適切な芝刈り機を選びましょう。
施肥
芝生を健康に育てるためには、肥料が必要です。 芝生用の肥料を、月に1回程度施しましょう。 肥料は、必要以上に与えすぎると、「肥料やけ」により芝生を傷めることがあるので注意が必要です。 チッ素、リン、カリがバランス良く含まれた肥料を選びましょう。
雑草除去
雑草は、芝生の生育を阻害するため、見つけ次第除去しましょう。
3月に芝生を植える際の注意点
3月に芝生を植える際は、以下の点に注意しましょう。
- 気温: まだ寒い日もあるため、遅霜に注意が必要です。
- 水やり: 土壌が乾燥しやすい時期なので、こまめな水やりが大切です。 特に、芝張り直後は、根が土に定着しておらず、乾燥しやすいため、注意が必要です。
- 病害虫: 春先は、病害虫が発生しやすい時期なので、注意が必要です。
- 土壌の準備: 芝生を植える前に、土壌の状態を整えておくことが大切です。 後から土壌を入れ替えたり改良したりするのは困難なため、事前にしっかりと準備を行いましょう。 春は暖地型芝生が成長をスタートさせる時期であるため、芝生を植えるのに最適な時期です。
まとめ
3月は、芝生を植えるのに最適な季節です。この記事で紹介した手順や注意点、管理方法を参考に、新築の家に緑豊かな芝生を育ててみましょう。
芝生を植える際には、土壌の準備、芝生の種類選び、植え付け方法、そしてその後の管理方法など、考慮すべき点がいくつかあります。 特に、水やりと芝刈りは、芝生の生育に大きな影響を与えるため、適切な方法で行うことが大切です。 また、病害虫の発生にも注意し、早期に対処することで、美しい芝生を維持することができます。