家の庭に緑いっぱいの芝生があれば、そこは憩いの空間に変わります。裸足で歩いたり、寝転んだり、子供たちが走り回ったり…。しかし、芝生を植えるとなると、時期や種類、土壌の準備など、考慮すべき点がいくつかあります。
この記事では、芝生の植え付けに最適な時期、土壌の準備、植え付け後の管理方法、芝生の種類と費用相場まで、詳しく解説していきます。
芝生の植え付けに最適な時期
芝生を植えるのに最適な時期は、春か秋です。 春は3月中旬~5月末頃、秋は9月~10月初旬頃が理想的です。
春植えの場合は、梅雨の時期に水分を十分に吸収し、夏に向けてしっかりと根を張ることができます。 一方、秋植えの場合は、夏の暑さが落ち着き、芝生が根付きやすい気温になるためおすすめです。 秋植えの場合、地面の温度が15℃を下回る10月下旬以降は避けるようにしましょう。気温が低すぎると、芝生の成長が止まり、根が定着せずに枯れてしまう可能性があります。
ただし、地域によって最適な時期は異なります。北海道や東北などの寒い地域では、春植えの場合は4月上旬~6月頃、秋植えの場合は9月頃が適しています。 関東や西日本の場合は、春植えは3月中旬~5月末頃、秋植えは9月~10月初旬頃が良いでしょう。
夏は気温が高く乾燥しやすいため、芝生が根付く前に枯れてしまうリスクがあります。冬は芝生の成長が止まってしまうため、避けるべきです。
芝生の種類別の植え付け時期
芝生の種類によって、植え付けに適した時期が少し異なります。
- 日本芝: 高麗芝や野芝など、日本の気候に適した芝生です。 春か秋に植え付けます。高麗芝は、3月~6月、9月~10月が植え付けの適期です。 野芝は、寒さに強く、北海道の南部まで栽培可能です。 高麗芝は、葉が小さめで繊細な印象を与え、丁寧に管理することで美しい芝生に育ちます。 一方、野芝は葉が大きめで芝質は荒くなりますが、乾燥や踏圧に強いという特徴があります。 地域の気候や土壌条件に適した芝生を選ぶことが、美しい芝生を育てるための重要なポイントです。
- 西洋芝: 暖地型と寒地型に分けられます。 暖地型は春に、寒地型は秋に植え付けます。 西洋芝は、日本芝よりも成長が早く、芝刈りの頻度が多くなります。 暖地型の西洋芝は、冬になると枯れてしまいますが、寒地型は冬でも緑を保つことができます。
芝生を植える前の土壌の準備
芝生を植える前に、土壌をしっかりと準備することが大切です。 良質な芝生を育てるためには、水はけと保水性のバランスが取れた土壌が理想です。
土壌の準備の手順
- 整地: 植え付け場所の石や雑草を取り除き、土を深さ15cmほど掘り起こします。 この時、丁寧に石や雑草の根を取り除くことが重要です。 特に、粘土質の土壌は芝生と相性が悪いため、取り除くか、土壌改良を行う必要があります。
- 土壌改良: 粘土質の土壌の場合は、砂土や腐葉土を混ぜて水はけをよくします。 必要であれば、市販の土壌改良材や堆肥を混ぜて土壌の栄養バランスを整えましょう。 日本の土壌は酸性の場合が多いので、石灰などでpHを調整するのも良いでしょう。 堆肥は、牛糞や鶏糞などの動物性堆肥と、腐葉土などの植物性堆肥があります。動物性堆肥は土をふかふかにする効果がありますが、においが強いので注意が必要です。
- 地ならし: 土壌を平らにならし、水はけをよくするために緩やかな傾斜をつけます。 この際に、水が流れる向きを考えておくことが大切です。
- 転圧: 板やローラーなどで土壌を踏み固め、平らで安定した土台を作ります。
- 水やり: 土壌の状態を確認するため、水を撒いて様子を見ます。 土壌改良を行った場合は、数日置いてから芝張りをしましょう。
芝生を植えた後の適切な管理方法
芝生を植えた後も、美しい状態を保つためには適切な管理が必要です。適切な水やり、芝刈り、施肥を行うことで、芝生の健康を維持し、病害虫の発生を予防することができます。
水やりと施肥
- 水やり: 芝張り直後は、根が十分に張っていないため、乾燥しやすくなっています。 特に夏場は、毎日水やりをする必要があります。 根が張った後は、土壌の状態や天候を見ながら水やりの頻度を調整します。 芝生の葉が巻いてきたら、水不足のサインです。 水やりには、ホースや散水シャワーを使用するのが一般的です。 スプリンクラーも便利です。
- 施肥: 芝生が根付いたら、肥料を施して栄養を与えます。 芝生用の肥料を使用し、使用方法を守って施肥しましょう。 肥料には、粒状のものや液体のものがあります。
芝刈りとエアレーション
- 芝刈り: 芝刈りは、芝生の生育を促進し、病害虫の発生を抑えるために重要です。 芝生の種類や生育状況に合わせて、適切な頻度と高さで芝刈りを行いましょう。 伸びすぎた芝を一度に刈り込むと、芝生が弱ってしまうため、少しずつ刈り込むようにしましょう。 芝刈りには、手動式の芝刈り機がおすすめです。 端部の刈り込みには、ハサミや電動式のバリカンを使用すると良いでしょう。
- エアレーション: エアレーションは、土壌に通気性を持たせるために、芝生に穴を開ける作業です。 これにより、芝生の根の呼吸を促し、生育を促進することができます。エアレーションを行うことで、サッチ層の分解も促進されます。
その他
- 目土入れ: 目土入れは、芝生の表面を平らに保ち、水はけを良くするために必要です。 芝生の状態に合わせて、適切な目土を選びましょう。 目土には、川砂、混合土、粒状などがあります。
- 雑草対策: 雑草は、芝生の生育を妨げるため、見つけ次第除去しましょう。 必要に応じて、除草剤を使用することもできます。
- 芝焼き: 昔は、芝焼きが芝生の手入れとして行われていましたが、家庭で行うのは危険なのでおすすめしません。 代わりに、芝刈り機やレーキを使って枯れた芝を取り除きましょう。
- 病害虫対策: 芝生には、さまざまな病害虫が発生する可能性があります。 早期発見、早期対策が重要です。
近隣のホームセンターで入手可能な芝生の種類と価格
ホームセンターでは、さまざまな種類の芝生が販売されています。代表的なものを以下にまとめました。
ホームセンター | 商品名 | 価格(税込) | サイズ | 芝丈 | 芝生の種類 |
---|---|---|---|---|---|
コーナン | ガーデンターフ | 2508円~ | 1m×1m~ | 35mm、40mm | 人工芝 |
コメリ | モラヴィア | 3480円 | 1m×2m~ | 20mm | 人工芝 |
コメリ | ヴィクトリア | 2480円 | 1m×2m | 30mm | 人工芝 |
DCM | 防草・透水 人工芝 | 3058円 | 1m×1m~ | 35mm | 人工芝 |
カインズ | 丸巻きリアル人工芝 | 2280円~ | 1m×1m~ | 20mm、35mm | 人工芝 |
ナフコ | Nリアル人工芝 | 2480円~ | 1m×1m~ | 10mm、20mm | 人工芝 |
ジョイフル本田 | ガーデンリアルグラス | 3916円 | 1m×2m~ | 15mm | 人工芝 |
ビバホーム | リアル人工芝 | 4708円~ | 1m×2m~ | 20mm | 人工芝 |
アイリスオーヤマ | リアル人工芝IP-3011 | 1791円~ | 1m×1m | 30mm | 人工芝 |
ニトリ | クアトロターフ | 3290円~ | 1m×1m~ | 35mm | 人工芝 |
その他
- カインズでは、芝の目土や床土も販売しています。
- コメリでは、高麗芝、姫高麗、野芝などの天然芝の苗も取り扱っています。 コメリでは、芝生の種も販売しています。 芝生を種から育てる場合は、時間と手間はかかりますが、費用を抑えることができます。
- ナフコでは、姫高麗芝や高麗芝を、宅配または店舗受け取りで購入できます。
価格や取り扱い商品は、店舗や時期によって異なる場合があります。事前に確認することをおすすめします。
芝生の植え付けを専門業者に依頼する場合の費用相場
芝生の植え付けを専門業者に依頼する場合、芝生の種類や施工面積、土壌の状態によって費用が異なります。
費用の目安
- 天然芝: 1㎡あたり2,500円~6,000円
- 人工芝: 1㎡あたり5,000円~10,000円
DIYで天然芝を敷く場合は、材料費だけで済むため、専門業者に依頼するよりも費用を抑えることができます。 例えば、姫高麗芝をDIYで敷く場合は、1㎡あたり約6,000円になります。
費用の内訳
- 材料費: 芝生、目土、肥料など
- 作業費: 整地、芝張り、目土入れなど
業者によっては、追加料金が発生する場合があります。事前に見積もりを取り、費用を確認しましょう。
まとめ
この記事では、芝生の植え付け時期、土壌の準備、植え付け後の管理方法、芝生の種類と費用相場について解説しました。
芝生を植える際には、地域の気候や土壌条件、そしてライフスタイルに合った芝生の種類を選びましょう。 また、植え付け前の土壌の準備をしっかりと行い、植え付け後も適切な管理を続けることが大切です。