関西全域における節水に適した芝生の種類

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このページの目次 はじめに関西の気候節水に適した芝生の種類各芝生の特性比較芝生の選び方効率的な芝生の水やり方法代替案:人工芝結論 はじめに 近年、地球温暖化の影響による水不足が深刻化しており、節水への関心が高まっています。庭を持つ人にとって […]

芝生コラム
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はじめに

近年、地球温暖化の影響による水不足が深刻化しており、節水への関心が高まっています。庭を持つ人にとって、芝生の水やりは悩みの種の一つですが、節水に適した芝生の種類を選ぶことで、水やりの頻度を減らし、環境にも優しく庭を楽しむことができます。

この記事では、関西全域の気候条件を考慮し、節水に適した芝生の種類を紹介します。それぞれの芝の特徴やメンテナンス方法、価格などを詳しく解説することで、読者の皆様がご自身の庭に最適な芝生を選べるよう、お手伝いします。

関西の気候

関西地方は、全体的に温暖で過ごしやすい気候ですが、地域によって微妙な違いがあります。春(3月~5月)は、温暖で過ごしやすい日が続き、3月下旬には桜の開花が始まります 。夏(6月~8月)は、梅雨の時期に雨が多く、湿度も高くなります。特に、太平洋側の紀伊山地周辺では年間を通して降水量が多いのが特徴です 。真夏には、38℃近くまで気温が上がる日もあり 、太平洋高気圧の影響で厳しい暑さに見舞われます 。秋(9月~11月)は、春と同様に穏やかで過ごしやすい気候となり、11月には各地で美しい紅葉が見られます 。冬(12月~2月)は、日本海側ではシベリアからの寒気の影響を受け、雪や雨の日が多くなります 。一方、太平洋側では乾燥した晴天の日が多く、温暖な気候が続きます。  

このように、関西地方の気候は地域や季節によって変化に富んでいます。 また、山地や盆地などの地形も気候に影響を与え、多様な microclimate を形成しています 。  

節水に適した芝生の種類

関西の気候に適し、節水にも効果的な芝生として、主に以下の種類が挙げられます。

暖地型芝生

  • 高麗芝: 日本で最も一般的な芝生であり、関西でも広く利用されています 。耐暑性が高く、乾燥にも強いのが特徴です 。密度の高い芝生を形成するため、美しい景観を作ることができます 。しかし、寒さに弱いため、冬季には休眠して茶色くなってしまいます 。  
  • 野芝: 野生種に近い芝生で、非常に丈夫で、耐寒性も高いため、関西全域で栽培できます 。葉が固く、踏圧にも強いため、子供が遊ぶ庭にも適しています 。高麗芝と比べると、成長が遅く、芝刈りなどのメンテナンスの手間が少ないのも魅力です 。深い根を張るため、乾燥に強く、節水効果も期待できます 。  
  • TM9: 高麗芝を改良した品種で、芝刈りや施肥などのメンテナンス回数を減らすことができます 。初期費用は高めですが、ランニングコストを抑えたい方におすすめです 。TM9 は、冬期に休眠する高麗芝とは異なり、冬でも緑を保つことができます 。  

寒地型芝生

  • ケンタッキーブルーグラス: 西洋芝の一種ですが、耐寒性だけでなく耐暑性も高く、関西でも栽培が可能です 。美しい緑色で、葉が柔らかく、裸足で歩いても気持ちが良いのが特徴です 。ただし、高麗芝や野芝に比べると、耐陰性が低く、日陰では生育が劣る可能性があります 。  

芝生の種類と品種の例  

  • バミューダグラス: ティフトン419、リビエラ

各芝生の特性比較

芝生の種類耐暑性耐寒性耐陰性踏圧性メンテナンスの手間価格
高麗芝
野芝
TM9
ケンタッキーブルーグラス

※ 耐陰性: 日陰に耐える性質。 ※ 踏圧性: 踏まれることに耐える性質。

芝生の選び方

上記の特性比較を参考に、以下の点も考慮しながら芝生を選びましょう。

  • 庭の広さ: 広い庭には、成長の早い高麗芝や TM9 が適しています。
  • 日当たり: 日陰が多い場合は、耐陰性のある高麗芝や野芝を選びましょう。
  • 利用目的: 子供が遊ぶ場合は、踏圧性の高い野芝がおすすめです。
  • メンテナンス頻度: 手間をかけたくない場合は、野芝や TM9 が適しています。
  • 予算: 価格を重視する場合は、野芝がおすすめです。
  • 生育型: 芝には、匍匐茎で横に広がるタイプ(高麗芝など)と、株状に成長するタイプ(ケンタッキーブルーグラスなど)があります 。匍匐茎で広がるタイプは、芝生が密になりやすいですが、他の場所に侵入しやすいという特徴もあります。  
  • 積算温度: 芝の生育には、年間の気温の積算値が関係しています 。関西地方では、暖地型芝生と寒地型芝生の両方が栽培できる地域(移行地帯)が多く、それぞれの芝の特性を理解した上で選ぶことが重要です 。  
  • ウィンターオーバーシーディング: 暖地型芝生は、冬に休眠して茶色くなってしまいますが、寒地型芝生の種を蒔くことで、冬の間も緑の芝生を楽しむことができます 。  

効率的な芝生の水やり方法

節水のためには、効率的な水やり方法も重要です。芝生の種類によって必要な水の量は異なります。例えば、西洋芝は、日本芝に比べて約1.5倍の水を必要とします 。土の表面が乾いてきたら水やりをするようにしましょう 。  

スプリンクラーの活用

広範囲に芝生を敷いている場合は、スプリンクラーの活用が効果的です 。スプリンクラーには、様々な種類があります。  

スプリンクラーの種類散水範囲節水性特徴
回転式広範囲水圧でノズルを回転させ、360度散水する。
首振り式限定的ノズルの角度を調節して散水する。
噴水式広範囲ノズルから霧状の水を散布する。
地面に固定するタイプ広範囲広い庭におすすめ。
取り外し可能なタイプ狭い範囲狭い範囲に散水したい場合に便利。

おすすめのスプリンクラーブランド  

  • タカギ

代替案:人工芝

天然芝の代わりに、人工芝を検討するのも良いでしょう。人工芝は、水やりや芝刈りなどのメンテナンスが不要で、節水効果も抜群です 。近年では、品質が向上し、天然芝に近い見た目と感触の人工芝も登場しています。  

人工芝を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

  • 素材: ナイロン製は耐久性が高いですが、価格も高めです。ポリエチレン製は柔らかく、価格も比較的安価です 。  
  • 排水性: 水はけが悪いと、人工芝の劣化を早める原因となります。設置場所の排水性を確認し、必要であれば砂利や排水パイプなどを利用して改善しましょう 。  
  • 抗菌加工: カビやコケの発生を防ぐために、抗菌加工が施された人工芝を選ぶのも良いでしょう 。  

結論

関西全域で節水に適した芝生は、高麗芝、野芝、TM9、ケンタッキーブルーグラスなど、様々な種類があります。それぞれの芝の特徴を理解し、ご自身の庭の環境やライフスタイルに合わせて最適な芝生を選び、適切な水やり方法を実践することで、節水効果を高めることができます。

水資源の節約は、地球全体の課題です。節水効果の高い芝生を選ぶことは、環境保護に貢献するだけでなく、芝生の維持管理にかかる時間やコストを削減することにもつながります。美しい芝生を維持しながら、環境にも配慮したサステナビリティな暮らしを実現しましょう。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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