芝生の冬眠期間にやるべきこととやってはいけないこと

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冬眠期間中の芝生は成長が停止し、休眠状態になります。しかし、休眠しているからといってケアを怠ると、春からの成長に悪影響を及ぼすことがあります。一方で、この時期には避けたほうが良い作業も存在します。この記事では、芝生の冬眠期間に「やるべきこと […]

芝生の手入れ(年間スケジュール)
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冬眠期間中の芝生は成長が停止し、休眠状態になります。しかし、休眠しているからといってケアを怠ると、春からの成長に悪影響を及ぼすことがあります。一方で、この時期には避けたほうが良い作業も存在します。この記事では、芝生の冬眠期間に「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を分かりやすく解説します。


芝生の冬眠期間とは?

芝生の冬眠期間とは、気温が下がり、生育が停止する冬季のことを指します。寒冷地型芝生(ケンタッキーブルーグラス、フェスキューなど)と暖地型芝生(バミューダグラス、センチピードグラスなど)では、冬眠の開始時期や管理方法が異なりますが、どちらも休眠中の適切な管理が必要です。

冬眠期間中の芝生の状態

  • 成長停止:芝生の葉や茎の成長が完全に止まり、地表部の活動が最小限になります。
  • 色の変化:芝生の葉が茶色や黄色に変色しますが、根は生きています。
  • 低温への適応:特に寒冷地型芝生は、冬の間に根が養分を蓄え、春の成長に備えます。

冬眠期間にやるべきこと

1. 芝生表面の清掃

冬眠期間中も芝生表面を清潔に保つことが重要です。

  • 落ち葉やデブリの除去
    積雪前や雪解け後に落ち葉や枯れ枝、小石などを取り除きます。これにより、通気性が確保され、病気の発生を防ぎます。
  • スノーモールド対策
    特に積雪地域では、スノーモールド(雪腐病)の予防が必要です。病気の原因となる有機物や湿気を減らすため、清掃は欠かせません。

2. 土壌改良と目土の追加

冬眠中の芝生は、土壌環境が重要です。目土の追加や土壌改良を行うことで、根を保護し、凍結や乾燥のリスクを軽減できます。

  • 目土の撒き方
    目土を薄く均一に撒き、土壌の保温効果を高めます。有機物を含む目土を選ぶと、土壌に栄養分を供給できます。
  • エアレーション
    凍結が進む前に軽くエアレーションを行い、通気性と排水性を改善します。

3. 防寒対策

特に寒冷地では、芝生を寒さから守るための防寒対策が有効です。

  • 保護シートや不織布の使用
    芝生専用の保護シートを使うことで、地面の温度を一定に保ち、乾燥や凍結の影響を和らげます。不織布は通気性が良いため、湿気がこもりにくく病害を防ぎます。
  • 積雪管理
    雪が積もりすぎないよう、適度に均等に分散させると、芝生への圧力を軽減できます。

4. 冬用肥料の施用

冬眠中の芝生には、窒素分を控えめにした冬用肥料を使用します。

  • 施肥のタイミング
    初雪前や積雪後のタイミングで、リン酸やカリウムを豊富に含む肥料を撒きます。これにより、根が強化され、冬越しがスムーズになります。

冬眠期間にやってはいけないこと

1. 踏圧や過度の作業

冬眠中の芝生はデリケートな状態にあるため、芝生を踏むことや過度な作業は避けるべきです。

  • 踏圧のリスク
    凍結している芝生の上を歩くと、根や葉が損傷し、回復に時間がかかることがあります。積雪中も芝生への立ち入りを最小限に抑えましょう。
  • 過剰な作業
    この時期に芝生を過剰に掘り返したり、激しいメンテナンスを行ったりすると、根が損傷する可能性があります。

2. 過剰な水やり

冬眠中の芝生は、成長が停止しているため、水の吸収量が少なくなります。

  • 過剰な水やりの影響
    水を与えすぎると土壌が過湿状態になり、病害の発生リスクが高まります。雪が少ない地域でも、乾燥がひどくない限り水やりは控えめにしましょう。

3. 短すぎる芝刈り

冬眠前の芝刈りで芝を短くしすぎると、根が露出し、寒さや乾燥に弱くなります。

  • 適切な高さを保つ
    芝の長さは4~5cmを目安に調整しましょう。短く刈りすぎないことで、保温効果が高まり、根が寒さから守られます。

4. 除雪作業での芝生の損傷

雪かきや除雪作業を行う際に、芝生を傷つけないよう注意が必要です。

  • 適切な除雪方法
    金属製のスコップではなく、ゴム製やプラスチック製のスコップを使用すると、芝生を傷めにくくなります。また、除雪機の使用は避けるか、慎重に行いましょう。

冬眠期間終了後のケア

芝生が冬眠から目覚める春先には、適切なフォローアップが必要です。

1. 清掃と観察

  • 落ち葉やデブリの除去
    冬の間に溜まった不要物を取り除き、芝生表面を整えます。
  • 芝生の状態チェック
    病害やダメージが発生している箇所を特定し、早めに対処します。

2. 目土と肥料の追加

  • 目土の補充
    凍結や融解で地面が不均一になった場合、目土を追加して補修します。
  • 肥料施用
    窒素を含む肥料を使用し、春の成長をサポートします。

3. 芝刈りの再開

  • 刈り高さの調整
    春の最初の芝刈りでは、通常よりも刈り高さを高めに設定し、徐々に短くしていきます。

まとめ

芝生の冬眠期間中は、休眠しているからといって完全に放置してよいわけではありません。この時期には、落ち葉の清掃や目土の追加、防寒対策などを行う一方で、踏圧や過剰な作業は避ける必要があります。冬眠中の適切な管理が、春からの芝生の成長と美観を支える基盤となります。

この記事で紹介した「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を参考に、芝生の冬眠期間を乗り切り、美しい芝生を維持しましょう。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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