自分で芝生を植える方法

この記事の概要

このページの目次 はじめに芝生の種類芝生を植える時期芝生を植える準備芝生の植え方水やりの方法芝生の手入れ方法芝生を植える際のよくある失敗例と対策芝生を植えるための道具参考になるDIY芝生植えの動画やブログ記事まとめ はじめに 青々とした芝生 […]

芝生の植え方
この記事は約11分で読めます。

はじめに

青々とした芝生が広がる庭は、多くの人が憧れるものです。近年では、DIYで芝生を植える人が増えています。 自分で芝生を植えることは、費用を抑えられるだけでなく、庭造りの楽しみも味わえます。 この記事では、初心者の方でも失敗なく芝生を植えることができるよう、芝生の種類、植え方、手入れ方法など、DIYで芝生を植えるための基礎知識と手順を詳しく解説します。  

芝生の種類

芝生には大きく分けて、日本芝西洋芝の2種類があります。 西洋芝は、冬でも緑色を保つことができるというメリットがありますが、日本の高温多湿な夏には弱い傾向があり、管理が難しいというデメリットもあります。一方、日本芝は、冬に枯れてしまうものの、管理が比較的簡単で、費用も抑えられます。 それぞれの特徴を理解した上で、自分のライフスタイルや好みに合った芝生を選びましょう。  

日本芝

暖地型芝生とも呼ばれ、日本の高温多湿な気候に適しています。 冬は休眠期に入り葉が茶色くなりますが、春になると再び緑色に戻ります。 このため、芝生の色の変化によって季節を感じることができます。 代表的な種類は以下の通りです。  

  • 高麗芝(コウライシバ): 日本で最もポピュラーな種類で、葉が細く密で美しい芝生を作ります。 病気や乾燥に強く、踏圧にも強いので、家庭の庭に最適です。 高麗芝とノシバは、日本の気候に適応し、管理が比較的簡単であることから、日本の夏、特に高温多湿になる地域で広く利用されています。  
  • 野芝(ノシバ): 葉が広く、高麗芝よりも粗い芝生です。 寒さに強く、土壌を選ばないので、公園などによく利用されます。 葉の幅が広くて硬いため、踏圧に強く、病害虫にも強いという特徴があります。 また、暖地型芝生の中では最も耐寒性が高く、比較的寒い地域や高冷地でも使用されることがあります。 ただし、手触りが硬いため、個人宅の庭にはあまり向きません。  
  • 姫高麗芝(ヒメコウライシバ): 高麗芝よりも葉が細く、柔らかく繊細な芝生です。 美しい芝生を作れますが、成長が早く、こまめな芝刈りが必要です。  
  • TM9: 高麗芝を改良して作られた品種で、芝刈りが年に1~2回で済むため、管理の手間が大幅に削減できます。 高麗芝に比べて費用は高くなりますが、 手間をかけずに美しい芝生を維持したい方におすすめです。  

西洋芝

寒地型芝生とも呼ばれ、寒さに強く、冬でも緑色を保ちます。 北海道や東北地方など、涼しい地域に適しています。 代表的な種類は以下の通りです。  

  • ケンタッキーブルーグラス: 緑色が濃く、密度の高い芝生を作ります。 寒さに強いですが、日本の夏の暑さには弱いため、注意が必要です。  
  • ベントグラス: 葉が細く柔らかく、密度の高い芝生を作ります。 ゴルフ場のグリーンなどに利用されますが、病気に弱く、管理が難しいです。  

日本の気候に適した芝生の種類

日本の気候に適した芝生は、地域によって異なります  

  • 北海道~東北北部: ケンタッキーブルーグラスなどの寒地型芝生
  • 東北南部~中部地方の高地: 野芝 / ケンタッキーブルーグラス
  • 関東・近畿・中国地方: 高麗芝 / ウィンターオーバーシード
  • 四国・九州・沖縄地方: 高麗芝

関東以西の温暖な地域では、高麗芝が最も育てやすいでしょう。 高麗芝とノシバは、日本の気候(特に夏)に順応しており、他の種類と比べて管理が簡単です。また、植え付けに適した土壌の範囲も広いです。 寒地型芝生を植える場合は、夏越し対策が必要です。 年中緑の芝生を楽しみたい場合は、ウィンターオーバーシードという方法もあります。 ウィンターオーバーシードとは、春から秋までの暖かい時期は日本芝を敷いて楽しみ、秋以降の寒い時期にはその上から西洋芝の種を蒔く方法です。  

芝生を植える時期

芝生を植えるのに最適な時期は、芝生の種類によって異なります。

暖地型芝生(高麗芝、野芝など)の場合、またはに植えるのがおすすめです。

春植え

  • メリット: 根が張りやすく、生育が旺盛になる。梅雨の時期に水分を確保しやすい。  
  • 時期: 3月中旬~5月末 (北海道・東北地方は4月上旬~6月頃)  

秋植え

  • メリット: 病害虫の被害が少ない。  
  • 時期: 9~10月頃  

寒地型芝生(ケンタッキーブルーグラス、ベントグラスなど)の場合、またはに植えることができます。

夏は乾燥しやすく、冬は根付きにくいので、避けた方がよいでしょう。  

芝生を植える準備

芝生を植える前に、以下の準備作業を行いましょう。

  1. 場所を決める: 日当たりが良く、水はけと風通しの良い場所を選びましょう。 最低でも1日5時間程度は日が当たる場所が理想です。 日当たりが良い場所ほど、芝生は光合成を活発に行い、健康に育ちます。 また、芝刈り機やホースが届きやすい場所を選ぶことも大切です。 メンテナンスがしにくい場所に植えてしまうと、芝刈りや水やりがおろそかになり、芝生が傷んでしまうことがあります。  
  2. 雑草を取り除く: 雑草は根から取り除き、土壌を耕します。 土壌が固い場合は、砂などを混ぜて水はけを良くします。 水はけが悪い場合は、土の中にパイプを埋めて「暗渠(あんきょ)排水路」を設けることもできます。  
  3. 整地する: 土壌を平らにならし、凹凸がないように整地します。 水はけを良くするために、排水方向に少し傾斜をつけるとよいでしょう。 地面を一方向にわずかに傾けるだけでも、排水の効果があります。  
  4. 土壌を改良する: 土壌の状態が悪い場合は、堆肥や土壌改良材などを混ぜて土壌を改良しましょう。  
  5. 元肥を施す: 元肥として、骨粉や鶏糞などを土に混ぜ込みます。  

芝生の植え方

芝生の植え方には、マット状になった芝生を張る方法と、種を蒔く方法があります。 ここでは、マット状の芝生を張る方法について解説します。  

芝生張りの手順

  1. 芝生を並べる: 決められた張り方に従って、芝生を並べていきます。 目地張りの場合は、隙間が均一になるように、レンガを積むようにずらして並べましょう。  
  2. 目土: 目土は、芝生の生育を助け、地面の凹凸をなくすために使用します。 川砂や目土用の土などを、芝生全体と芝生の間の隙間にかけます。 芝生の葉先が隠れない程度に、3~5mmの厚さが目安です。 1㎡あたり2~3リットルの目土が必要になります。  
  3. 転圧する: 板などを使い、芝生を踏み固めて地面に密着させます。  
  4. 水やりをする: たっぷりと水やりをします。 芝生が根付くまでは、乾燥しないように注意が必要です。 芝生は、端部でカットして使うことになるため、購入する際は、必要な量よりもいくらか多めに用意しておきましょう。 また、芝生は30cm程度の大きさにカットされたマット状で販売されており、10枚で1束、1束で約1㎡となります。 必要な芝生の量を計算する際の参考にしてください。  

芝生の張り方

芝生の張り方には、主に以下の4つの方法があります。  

  • べた張り: 芝生を隙間なく張る方法です。最も早く芝生が育ち、仕上がりが綺麗ですが、芝の量が多く必要になります。  
  • 目地張り: 芝生同士の間に隙間を空けて張る方法です。芝の量を節約できますが、芝生が生えそろうまでに時間がかかります。  
  • 市松張り: 市松模様に芝生を張る方法です。さらに芝の量を節約できますが、芝生が完成するまでに最も時間がかかります。  
  • 条(すじ)張り: 1列おきに張る方法です。 仕上がるまでに時間がかかります。  

水やりの方法

芝生は乾燥に弱いため、たっぷりと水やりをすることが大切です。 水やり3年と言われるように、芝生の水やりは奥が深く、適切な水の量を、適切なタイミングで与えることが重要です。  

  • 水やりの頻度: 春と秋は3~4日に1回、夏は毎日 (ただし、土の表面が乾いていることを確認してから水やりをする) 水やりをしすぎると、根腐れを起こしたり、病害虫の被害に遭ったりする可能性があります。 土壌の状態や、最近の雨量によって水やりの頻度を調整しましょう。 水やりの頻度を少なくし、一回で十分な水を与えることで、より良い結果が得られます。  
  • 水やりの時間帯: 午前中 (夏は日差しが強くなる前の涼しい時間帯に行う)  
  • 水の量: 1㎡あたり10リットル  

芝生の手入れ方法

芝生を美しく保つためには、定期的な手入れが必要です。

芝刈り

芝刈りは、芝生の高さを均一に保ち、密度を高めるために必要です。  

  • 時期: 5~10月 (7~8月は月に2回)  
  • 高さ: 2~3cm 3坪程度の広さの芝生であれば、2人で1時間程度で芝刈りが終わるでしょう。  

肥料

肥料は、芝生の生育に必要な栄養を補給するために必要です。  

  • 種類: 窒素、リン酸、カリウムをバランス良く含んだ芝生用の肥料 固形肥料と液体肥料があり、固形肥料はゆっくりと効果が持続し、液体肥料は即効性があります。 基本的には、効果の持続する固形肥料を使用し、液体肥料は、芝生に元気がない時や、早く効果を出したい時などに使用すると良いでしょう。  
  • 時期: 4~9月 (3月頃、6月頃、8月頃の3回が基本) 肥料の種類によって施肥の時期が変わることがあるので、商品の説明書きをよく確認しましょう。  
  • : 肥料の説明書きに従う 肥料を与える前に、雑草や小石などを取り除きましょう。  

雑草対策

雑草は、芝生の生育を阻害するため、こまめに取り除く必要があります。  

  • 手で抜く: 小さなうちに根から抜き取る。 根が残っていると、再び生えてきてしまうので注意が必要です。  
  • 除草剤: 芝生用の除草剤を使用する。 除草剤には、芝生を枯らさずに雑草だけを枯らす選択性除草剤と、すべての植物を枯らす非選択性除草剤があります。芝生に使用する際は、必ず選択性除草剤を選びましょう。 除草剤の種類や使用方法は、商品の説明書きをよく確認する。 芝刈りをすることで雑草も刈り取ることができますが、雑草の種子が広範囲に飛び散ってしまう可能性があるので、刈り取りの時期には注意が必要です。 また、芝丈を少し高めに設定して刈ることで、雑草が伸びにくい状態を保つことができます。  

その他の手入れ

  • 目土: 芝生の生育を促進し、凹凸をなくすために、年に2回程度目土をかけます。  
  • エアレーション: 土壌の通気性を良くするために、エアレーションを行います。  
  • サッチング: 枯れた芝や根を取り除くサッチングを行います。  

芝生を植える際のよくある失敗例と対策

芝生を植える際に、よくある失敗例と対策をまとめました。

失敗例対策
日当たりが悪い場所に植えてしまった日当たりの良い場所を選び、最低でも1日5時間程度は日が当たるようにする。
水はけが悪い場所に植えてしまった土壌改良材などを混ぜて水はけを良くする。
水やりをしすぎてしまった土の表面が乾いてから水やりをする。 水のやりすぎは、根を弱らせる原因にもなります。
肥料をやりすぎてしまった肥料の説明書きをよく読み、適量を守る。
芝刈りを怠ってしまった定期的に芝刈りを行い、芝生の高さを均一に保つ。
雑草対策を怠ってしまったこまめに雑草を取り除くか、芝生用の除草剤を使用する。

芝生を植えるための道具

芝生を植えるために必要な道具は以下の通りです。

  • スコップ: 土を耕したり、整地したりするために使用します。
  • レーキ: 土を平らにならしたり、目土を均一に広げたりするために使用します。
  • 芝生バサミ: 芝生をカットするために使用します。
  • ジョウロ: 水やりに使用します。
  • ローラー: 芝生を転圧するために使用します。
  • ふるい: 目土を均一に撒くために使用します。

参考になるDIY芝生植えの動画やブログ記事

  • 動画:  
  • ブログ記事:  

まとめ

この記事では、DIYで芝生を植える方法について解説しました。

まず、芝生の種類を選ぶ際には、日本芝西洋芝の特徴を理解し、自分の庭の環境やライフスタイルに合ったものを選びましょう。日本芝は、日本の気候に適応しており、管理が比較的簡単ですが、冬に枯れてしまいます。西洋芝は、冬でも緑色を保つことができますが、日本の高温多湿な夏には注意が必要です。

芝生を植える場所は、日当たり、水はけ、風通しが良い場所を選びましょう。土壌の状態が悪い場合は、土壌改良などを行い、芝生が生育しやすい環境を整えましょう。

芝生を植える時期は、暖地型芝生の場合、春または秋が最適です。寒地型芝生の場合、春または秋に植えることができます。夏と冬は、芝生にとって過酷な環境となるため、避けた方がよいでしょう。

芝生を張る際には、べた張り目地張り市松張りすじ張りなど、さまざまな張り方があります。それぞれの張り方のメリットとデメリットを理解し、自分の庭に合った張り方を選びましょう。

芝生を美しく保つためには、芝刈り水やり施肥雑草対策などの定期的な手入れが必要です。特に、水やりは芝生の生育に大きく影響するため、土壌の状態や季節に合わせて適切な量の水を供給しましょう。

DIYで芝生を植えることは、費用を抑えられるだけでなく、庭造りの楽しみも味わえます。この記事を参考にして、DIYで芝生を植えて、美しい芝生の庭を手に入れましょう。ソースと関連コンテンツ

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

芝太郎をフォローする
芝生の植え方
芝生のDIYなら芝太郎の芝生ガーデニング