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秋の芝生用肥料の選び方とその効果

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秋の芝生管理は、冬の休眠期を乗り越え、春に美しい緑の芝生を蘇らせるために非常に重要です。 その中でも、適切な肥料選びと施肥は欠かせません。本稿では、秋の芝生用肥料の選び方とその効果、施肥の注意点、よくある質問などを詳しく解説し、読者の皆様の […]

芝生の手入れ
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秋の芝生管理は、冬の休眠期を乗り越え、春に美しい緑の芝生を蘇らせるために非常に重要です。 その中でも、適切な肥料選びと施肥は欠かせません。本稿では、秋の芝生用肥料の選び方とその効果、施肥の注意点、よくある質問などを詳しく解説し、読者の皆様の芝生管理に役立つ情報提供を目指します。  

1. 秋の芝生に適した肥料の種類とその特徴

芝生の生育に必要な栄養素は、主に窒素・リン酸・カリウムの3要素です。 これらはそれぞれ、葉や茎の成長促進、根の成長促進、病気や環境変化への抵抗力向上に貢献します。 秋の芝生には、冬の休眠期に備え、根を強くし、養分を蓄えることが重要となるため、リン酸とカリウムを比較的多く含んだ肥料が適しています。  

肥料の種類としては、大きく分けて有機質肥料、無機質肥料、配合肥料の3つがあります。  

  • 有機質肥料: 油かす、骨粉、鶏糞などを原料とした肥料で、土壌の質を向上させる効果も期待できます。ゆっくりと効果が現れるため、主に芝生を植える際の元肥として使用します。 例としては、日清ガーデンメイトの「100%有機芝生の肥料」などがあります。  
  • 無機質肥料: 化学的に合成された肥料で、速効性があり、効果がすぐに現れます。 肥料焼けを起こしやすいという側面もあるため、注意が必要です。 例としては、朝日アグリアの「芝生の肥料」などがあります。  
  • 配合肥料: 有機質肥料と無機質肥料を組み合わせた肥料で、それぞれのメリットを活かすことができます。 土壌改良効果と速効性を両立したい場合に適しています。 例としては、ハイポネックスの「芝生の肥料」などがあります。  

肥料の効果は製品によって異なり、一定期間安定して効果が持続するものが芝生管理には適しています。 特に、IB化成肥料は肥効を自動で調整してくれるため、扱いやすいという特徴があります。  

肥料の種類特徴メリットデメリット
有機質肥料天然素材を原料とした肥料土壌改良効果、緩効性で長持ち効果が現れるのが遅い、臭いがある場合がある
無機質肥料化学的に合成された肥料速効性、価格が安い肥料焼けしやすい、土壌への負担がある
配合肥料有機質肥料と無機質肥料を配合両方のメリットを併せ持つ価格が高い場合がある

2. それぞれの肥料の効果

(1) 窒素の効果

窒素は、芝生の葉や茎の成長を促進し、葉を青々と繁らせる効果があります。 また、光合成を活発化させることで、芝生の発芽を促進し、健やかに成長させるために必要なエネルギーを供給します。 特に、春に芽吹きを良くしたい場合は、秋に窒素を十分に与えておくことが重要です。  

(2) リン酸の効果

リン酸は、根の成長と発達を促進する効果があり、 芝の成長や分けつを促します。 また、根の分岐を促し、芝生をより密にする効果も期待できます。 さらに、リン酸は、芝生のストレス耐性を高め、病気や乾燥に強くなる効果もあります。 秋にリン酸を十分に与えることで、芝生は健全な根系を育み、冬の寒さや乾燥に耐える準備ができます。  

(3) カリウムの効果

カリウムは、芝生の耐寒性を高め、冬の寒さから守る効果があります。 また、細胞壁を強化することで、病気や乾燥に対する抵抗力を高め、環境の変化に対応する力をつけます。 秋にカリウムを十分に与えることで、芝生は冬越しに必要な養分を蓄え、春に健やかに芽吹くことができます。 さらに、カリウムは葉緑素の分解を抑える働きもあるため、晩秋まで芝生の緑色が長持ちする効果も期待できます。  

3. 肥料の選び方における注意点

(1) 芝生の種類

芝生は、大きく分けて暖地型と寒地型に分類されます。 暖地型芝生は、高麗芝や野芝など、日本の高温多湿な気候に適した品種です。 一方、寒地型芝生は、ケンタッキーブルーグラスやフェスクなど、涼しい気候を好む品種です。  

肥料を選ぶ際には、芝生の種類に合ったものを選ぶことが重要です。 暖地型芝生は、春から秋にかけて生育が活発になるため、その時期に窒素を多めに含んだ肥料を与えます。 寒地型芝生は、春と秋に生育が活発になるため、窒素だけでなく、リン酸やカリウムもバランス良く含んだ肥料を選びます。  

(2) 土壌の状態

土壌の状態も肥料選びの重要な要素です。 土壌の保肥力、つまり養分を保持する力は、肥料の効果に大きく影響します。 保肥力の低い土壌では、肥料が流れ出てしまい、効果が十分に発揮されないことがあります。 そのような場合は、有機質肥料や腐植酸を含む肥料を使用することで、土壌の保肥力を高めることができます。 また、高濃度の肥料は土壌に負担をかける可能性があるため、 芝生用には、窒素、リン酸、カリウムの成分量の少ない肥料がおすすめです。  

(3) 地域

地域によって、気候や土壌条件が異なるため、肥料の選び方も変わってきます。 例えば、寒冷地では、冬の寒さから芝生を守るために、カリウムを多めに含んだ肥料が適しています。 また、温暖地では、生育期間が長いため、緩効性の肥料を使用することで、長期間にわたって効果を持続させることができます。  

(4) 芝生が求める栄養素

芝生は窒素だけでなく、「炭素」「水素」「酸素」も必要とします。 これらの要素は、葉の長さを長くし、適切な水管理を行うことで、自然に摂取することができます。 特に、秋には日照時間が短くなるため、葉を長くして光合成を効率的に行えるようにすることが大切です。  

4. 肥料の施肥時期と施肥量

(1) 施肥時期

暖地型芝生の施肥時期は、3月から11月頃までです。 この間、1〜2ヶ月に1回、肥料を与えます。 特に、休眠期に入る前の9月と11月には、リン酸とカリウムを多めに含んだ肥料を施すことが、根の成長を促進し、冬越し準備を促すために重要です。 寒地型芝生の場合は、3月から6月と9月から11月が施肥時期となります。  

秋の施肥は、芝生の生育が緩やかになる時期に行うため、肥料焼けのリスクを抑えながら、冬越しに必要な栄養を供給することができます。 また、この時期の施肥は、翌春の芝生の芽吹きを良くする効果も期待できます。  

(2) 施肥量

施肥量は、芝生の種類、土壌の状態、肥料の種類によって異なります。 一般的には、肥料のパッケージに記載されている量を目安に、芝生の状態を見ながら調整します。 肥料の与えすぎは、肥料焼けの原因となるため、注意が必要です。 必要量を一度に施肥するのではなく、少量ずつ、数回に分けて施肥し、芝生の反応を見ながら調整していくことがおすすめです。  

(3) 秋の芝刈り

芝刈りは、休眠に入る11月まで続けましょう。 9月は週1回ほど、10月は伸びに合わせて2週に1回ほど行います。 10月末に行う芝刈りを刈り止めとし、シーズン中の芝刈りは終了となります。 刈り止め時の芝生の刈高は、いつもよりも高めにしておくことをおすすめします。 芝を長めにしておくことで表土が保護され、土の凍結や真冬の霜から芝を守る効果があります。  

(4) 秋の水やり

休眠に入る11月ごろには、生育が止まるため水やりは不要となります。 水やりは、秋の前半と後半で異なります。 暑さの残る9月上旬には、2、3日に1回程度、その後は、11月にかけて徐々に間隔を開けていきましょう。 10月中は、極度に乾燥した時に水やりをすれば問題ありません。  

5. 肥料の効果を高めるための施肥方法

  • 肥料焼けを防ぐ: 肥料焼けは、肥料が葉に付着したり、土壌中の肥料濃度が高くなりすぎたりすることで起こります。 肥料焼けを防ぐためには、気温の高い日中を避け、朝夕の涼しい時間帯に施肥することが重要です。 また、施肥後は、十分に水やりを行い、肥料を土壌に浸透させることも大切です。  
  • まきムラを防ぐ: 肥料のまきムラは、芝生の生育ムラや色ムラにつながります。 まきムラを防ぐためには、少量ずつ、均一に肥料をまくことが重要です。 広い面積に施肥する場合は、肥料散布機を使用すると便利です。  
  • 液体肥料と粒状肥料を併用する: 速効性のある液体肥料と緩効性のある粒状肥料を併用することで、芝生の生育を効果的に促進することができます。 粒状肥料をベースに、生育状況に合わせて液体肥料で栄養を補う方法がおすすめです。 特に、顆粒状の肥料に加えて、有機質肥料でありながら効き目の早い液体肥料を春と秋に与えると、芝生がより鮮やかな緑色に育ちます。  

5. 冬越しに向けた土壌改良

冬越しに向けて、土壌改良を行うことも大切です。 土壌改良は、土壌の物理性、化学性、生物性を改善することで、芝生の生育を促進し、健全な状態を保つために役立ちます。 特に、冬直前に行う土壌改良は、微生物の活動を活性化させ、土壌中の有機物を分解することで、芝生の生育に必要な栄養分を供給する効果が期待できます。  

水やりや肥料、農薬などを適切に使うことも重要ですが、土壌改良による環境整備も同様に大切です。 土壌改良資材としては、微生物資材などが有効です。 微生物資材は、土壌中の微生物の活動を活性化させることで、土壌の団粒化を促進し、保水性や通気性を向上させる効果があります。 また、有機物を分解することで、芝生の生育に必要な栄養分を供給する効果も期待できます。  

6. 肥料に関するよくある質問とその回答

質問回答
芝ドクターGを芝以外にも使いたいがメリットとデメリットは?芝ドクターGは芝生用に開発された肥料ですが、他の植物にも使用できます。ただし、リン酸成分が抑えられているため、花を咲かせたり実を付けたりする植物には、リン酸成分を補う必要があります。
芝ドクターGをまく時に芝生の種を一緒にまいて良いですか?種まきと同時に芝ドクターGを施肥すると、発芽障害を起こしやすいため、種まきの2週間以上前に施肥してください。
芝ドクターGをまくには雨が降った後の方が良いのでしょうか?雨の直前に施肥すると、肥料が流れ出てしまう可能性があります。雨上がりで土が湿っている状態であれば、施肥後に十分に水やりをしてください。
芝生専用除草剤をまいた時に肥料をまいてもよいですか?除草剤と肥料を同時にまくと、芝生に負担がかかる可能性があります。除草剤をまいてから1週間ほど経ってから肥料をまくようにしましょう。
10月に芝生の肥料を撒いても良いですか?大丈夫です。晩秋に肥料を施すことで、芝生の緑色が長持ちします。
芝ドクターG 月2回の施肥を月1回じゃだめですか?月1回にまとめる場合は、2回分の量を1回でまいても構いません。ただし、6月から9月は有機質肥料の分解が速くなるため、2回に分けて施肥することをおすすめします。

7. 芝生の種まきと施肥の注意点

芝生の種まきを行う場合は、施肥のタイミングに注意が必要です。 一部の肥料には、菜種油かすなどの有機質肥料が含まれており、これらが分解される際に発芽を抑制する成分を発生させることがあります。 そのため、種まきと同時に施肥を行うと、発芽障害が起こる可能性があります。 種まきを行う場合は、少なくとも2週間前に施肥を行い、肥料が十分に分解される時間を確保することが重要です。  

8. まとめ

秋の芝生管理において、肥料は非常に重要な役割を果たします。適切な肥料を選び、適切な時期と量で施肥することで、芝生は冬の休眠期を乗り越え、春に美しい緑を蘇らせることができます。

肥料を選ぶ際には、芝生の種類、土壌の状態、地域などを考慮し、窒素、リン酸、カリウムの3要素がバランス良く含まれたものを選びましょう。 また、有機質肥料、無機質肥料、配合肥料など、それぞれの特徴を理解し、自分の芝生に合ったものを選ぶことも大切です。

施肥を行う際には、肥料焼けやまきムラを防ぐために、気温や時間帯、まき方に注意し、少量ずつ、均一に施肥することが重要です。 また、液体肥料と粒状肥料を併用することで、より効果的に芝生の生育を促進することができます。

さらに、冬越しに向けて土壌改良を行うことも、芝生の健全な生育を維持するために有効です。 土壌の物理性、化学性、生物性を改善することで、芝生はより強く、美しく育ちます。

芝生の肥料に関する情報は、インターネットや書籍など、様々な sources から入手することができます。 しかし、それぞれの芝生は生育環境や状態が異なるため、情報 を鵜呑みにするのではなく、自分の芝生をよく観察し、経験に基づいて判断することが大切です。 施肥方法やその結果を記録しておくことで、より効果的な芝生管理につなげることができます。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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