日陰でも育つ芝生の種類と育成方法は?

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庭に芝生を敷きたいのですが、日当たりの良くない場所が多いです。特に家の北側や大きな木の下などは直射日光がほとんど当たりません。このような環境でも育つ芝生はあるのでしょうか?また、育成する際の注意点やコツがあれば教えてください。 日陰に強い芝 […]

芝生の選び方関する質問
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庭に芝生を敷きたいのですが、日当たりの良くない場所が多いです。特に家の北側や大きな木の下などは直射日光がほとんど当たりません。このような環境でも育つ芝生はあるのでしょうか?また、育成する際の注意点やコツがあれば教えてください。


日陰に強い芝生の種類

日陰でも元気に育つ芝生を選ぶには、まずその品種について理解する必要があります。以下は、日陰に適した芝生の代表的な種類です。

1. シェードターフグラス(Shade Turfgrass)

シェードターフグラスは、名前の通り日陰向けに開発された芝生です。耐陰性が非常に高く、特に湿気が多い環境でもしっかり育ちます。この種類は庭木の下や建物の北側に最適です。

また、シェードターフグラスはその生育特性から、雑草の侵入を防ぐ効果も期待できます。適切な管理を行えば、日陰でも均一で美しい芝生を維持できます。

2. トールフェスク(Tall Fescue)

トールフェスクは、日陰と乾燥の両方に強い性質を持つ西洋芝です。この芝は深い根を張るため、少ない光でも効率的に成長できます。特に、寒冷地や四季がはっきりした地域でおすすめです。

トールフェスクは頻繁な芝刈りを必要とせず、比較的低メンテナンスで育成できます。そのため、忙しい家庭や大きな庭でも便利に活用できます。

3. ファインフェスク(Fine Fescue)

ファインフェスクは、トールフェスクよりもさらに細かい葉を持ち、柔らかな見た目が特徴です。耐陰性に優れているだけでなく、寒さにも強いため、広範囲で利用されています。

ファインフェスクは装飾性が高いことから、庭だけでなく公園や商業施設の緑化にも用いられています。特に、日陰が多い環境での景観改善に役立ちます。

4. 日本芝(ノシバ)

ノシバは日本の気候に適した芝生で、日陰でも育成可能な品種があります。ただし、西洋芝に比べて成長が遅い点には注意が必要です。

ノシバは定着後の維持管理が比較的簡単で、日本庭園や伝統的な風景によく調和します。また、乾燥にも強いため、日陰でも水やりの手間を軽減できるメリットがあります。

5. セントオーガスティングラス(St. Augustine Grass)

セントオーガスティングラスは、暖かい地域に適しており、耐陰性が高いことで知られています。主に亜熱帯や温暖地でよく利用されています。

この芝生は広葉で、触り心地が柔らかく、日陰の庭に居心地の良い空間を作り出します。ただし、耐寒性が低いため、寒冷地では育成が難しい場合があります。


日陰で芝生を育てる際の注意点

日陰で芝生を育てる場合、以下のポイントに注意しましょう。

1. 光の量を確保する

完全に光が当たらない環境では芝生の育成が難しくなるため、可能な限り光を確保する工夫が必要です。例えば、大きな木の枝を剪定して光を取り入れる、反射板を利用して光を拡散させるなどの方法があります。

一方で、直射日光をいきなり増やすと、日陰に適応していた芝生がストレスを受けることがあります。段階的に光の量を調整することが大切です。

2. 適切な土壌改良

日陰の土壌は湿気が溜まりやすいため、水はけを良くする工夫が重要です。砂や腐葉土を混ぜることで土壌の排水性を高めましょう。

また、土壌のpH調整も大切です。芝生が好む弱酸性—中性の土壌環境を維持するため、定期的に土壌検査を行い、必要に応じて調整を行いましょう。

3. 適切な肥料の使用

日陰では光合成が十分に行えないため、肥料で栄養補給を補うことが大切です。窒素、リン酸、カリウムをバランスよく含む肥料を使用し、少量ずつこまめに施肥するのがおすすめです。

特に、芝生の品種に合わせた専用肥料を選ぶと、成長をより効果的にサポートできます。緩効性肥料の利用も検討してください。

4. 適切な芝刈り

日陰で育つ芝生は、やや長めに刈ることで光合成を効率よく行えるようになります。目安としては、5–7cm程度の高さに保つと良いでしょう。

芝刈りの頻度は品種や季節によって調整してください。また、刈り取った芝生の除去を怠ると、病害虫の発生を助長する場合がありますので注意が必要です。

5. 水やりの頻度に注意

日陰は湿気がこもりやすいため、水やりは朝の時間帯に行い、頻度を抑えることが重要です。過剰な水やりは根腐れを招く可能性があります。

水やりの際には、土壌の状態を確認し、表面が乾き始めたら適度に与えるようにしましょう。自動スプリンクラーを使用する場合も、設定を見直すことが必要です。


芝生の育成を成功させるコツ

芝生を健康に保つには、環境に合わせた工夫が必要です。以下のステップを参考にしてください。

1. 芝生の選定

最初に、日陰の環境に最適な芝生を選びます。先述した種類の中から、気候や用途に合ったものを選びましょう。

また、芝生を混合して植えることで、異なる環境条件に対応できる柔軟な芝生の敷地を作ることも可能です。例えば、トールフェスクとファインフェスクの組み合わせなどが有効です。

2. 適切な植え付け

日陰の場所では種まきよりも、芝生の苗やマットを利用した方が育成がスムーズです。植え付けは春か秋の涼しい時期に行うのが理想的です。

植え付け前に土壌を整地し、十分に潤しておくことで、苗の定着率を高められます。また、植え付け後もこまめな水やりを行い、根が張るのを助けましょう。

3. 定期的な管理

雑草の除去や病害虫の予防も大切です。特に日陰は湿度が高いため、病気が発生しやすくなります。定期的に芝生の状態を観察し、異常があれば早めに対処しましょう。

また、病害虫が発生した場合には、環境に優しい防除方法を選ぶと、芝生だけでなく周囲の植栽や生態系を守ることができます。

4. エアレーション

日陰の芝生は土壌が硬くなりやすいため、年に1–2回エアレーションを行って土をほぐし、根が酸素を吸収しやすい状態を作ります。

エアレーションは専用機器を使用して行うと効率的です。また、作業後に適切な施肥を行うことで、効果をさらに高めることができます。


日陰でも美しい芝生を保つために

日陰でも芝生を育てることは可能ですが、環境に合わせた細やかなケアが必要です。耐陰性の高い品種を選び、適切な管理を行うことで、日陰の庭でも緑豊かな芝生を楽しむことができます。

特に、光や水、肥料のバランスを意識して育成することが成功の鍵です。これらのポイントを押さえ、ぜひ美しい芝生のある庭を実現してください。

さらに、日陰に特化した芝生の育成技術は進化を続けており、新しい品種や管理方法も登場しています。定期的に情報をアップデートしながら、より良い環境を作りましょう。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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