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寒冷地型芝生の冬期ケア:休眠期を上手に過ごす方法

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寒冷地型芝生は、耐寒性が高い一方で、冬の休眠期に適切なケアを行わないと、春の成長に悪影響を及ぼすことがあります。寒冷地特有の厳しい環境に対応するため、冬期ケアをしっかり行うことが、芝生を健康に保つ鍵となります。この記事では、寒冷地型芝生が休 […]

芝生の手入れ(年間スケジュール)
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寒冷地型芝生は、耐寒性が高い一方で、冬の休眠期に適切なケアを行わないと、春の成長に悪影響を及ぼすことがあります。寒冷地特有の厳しい環境に対応するため、冬期ケアをしっかり行うことが、芝生を健康に保つ鍵となります。この記事では、寒冷地型芝生が休眠期を上手に過ごすための具体的な方法について詳しく解説します。


寒冷地型芝生の特性と冬期の課題

寒冷地型芝生は、ケンタッキーブルーグラスやフェスキューといった品種が代表的です。これらは寒さに強く、冬になると休眠に入り、葉の成長が止まり色が薄くなります。しかし、休眠中でもダメージを受けることがあり、以下の課題に注意が必要です。

1. 凍結と乾燥のストレス

寒冷地では、地表が凍結と融解を繰り返すことがあります。この際、芝生の根が引き抜かれたり、凍結による乾燥でダメージを受けることがあります。

2. 病害の発生

冬期にはスノーモールド(雪腐病)などの病害が発生しやすくなります。積雪が長期間残る場合や、湿った状態が続くと病気のリスクが高まります。

3. 踏圧や物理的損傷

休眠中の芝生は非常にデリケートです。この時期に過剰な踏圧を加えたり、雪かき作業で芝生を傷つけると、回復に時間がかかることがあります。


冬を迎える前の準備

寒冷地型芝生が休眠期を健康に過ごすためには、冬を迎える前の準備が重要です。以下の手順を秋のうちに実施しましょう。

1. 最終芝刈り

冬前の芝刈りでは、芝をやや短めに調整します。短すぎる刈り込みは避け、通常の高さの2/3程度を目安にします。短く刈ることで、雪や湿気が溜まりにくくなり、病気の発生を予防できます。

2. 栄養の補給

冬を乗り切るために、秋用の肥料を施用します。この肥料にはリン酸やカリウムが豊富に含まれており、根の強化や寒さへの耐性を高めます。窒素分の多い肥料は控えめにしましょう。

3. エアレーション

エアレーションを行い、土壌の通気性を改善します。これにより、根がしっかりと酸素を吸収できる環境を整え、凍結や融解によるダメージを軽減します。

4. 目土の追加

芝生表面に目土を薄く均一に撒くことで、根を保護し、凍結によるダメージを防ぎます。目土は芝生の品種や土壌条件に合わせて選びましょう。


冬期のケアポイント

冬季に芝生を保護するためには、積雪や低温などの自然条件に対処しつつ、以下のようなポイントを意識してください。

1. 積雪管理

積雪が多い場合、雪を一箇所に集めすぎないように注意します。雪が集中すると、その部分が窒息状態になり、病気が発生しやすくなります。必要に応じて、スコップやブロワーを使い、雪を均等に広げましょう。

2. 踏圧の回避

冬の間、芝生の上を歩いたり車両を通行させたりすることは避けてください。踏圧は芝生を物理的に損傷させるだけでなく、休眠中の回復力の低い状態では大きなダメージとなります。

3. 雪かきの注意点

雪かきをする際には、芝生表面を傷つけないよう注意が必要です。ゴム製のスノープッシャーや軽量のスコップを使用すると、芝生を守りながら作業ができます。

4. 保護資材の活用

寒冷地では、芝生専用の冬用保護シートを使用することが効果的です。このシートは芝生を寒さから守るだけでなく、湿気を適度にコントロールすることが可能です。通気性の良い素材を選びましょう。


冬明け後のケア:春への準備

冬を終え、芝生が再び成長を始める時期には、冬越しの影響を最小限に抑えるためのケアが重要です。

1. 芝生の観察と清掃

雪解け後、芝生を注意深く観察し、積雪の影響や病気の兆候をチェックします。枯れた葉や残ったデブリは、軽くレーキで取り除き、風通しを良くします。

2. 目土と補植

冬の間にできた凹みや薄くなった箇所には、目土を追加して補植を行いましょう。同じ芝生の品種を使用することで、見た目が自然になります。

3. 肥料と水やり

春先には再び肥料を施用します。この際、窒素を含む肥料を適量使用し、芝生の緑化を促進します。ただし、一度に大量の肥料を撒くことは避けてください。また、水やりは気温を見ながら適切に行います。

4. 芝刈りの再開

芝生が成長を始めたら、最初の芝刈りを行います。刈り高さを徐々に短くしていくことで、芝生がストレスを感じることなく健康に成長できます。


まとめ

寒冷地型芝生の冬期ケアは、秋からの準備、冬季の管理、そして春への対応が一連のプロセスとして重要です。低温や積雪といった厳しい環境でも、適切なケアを行うことで、芝生は休眠期を健やかに過ごし、春からの成長をスムーズにスタートできます。

冬を迎える前の肥料施用やエアレーション、冬季の積雪管理や踏圧の回避など、基本的なポイントを押さえることが、健康な芝生を維持する秘訣です。寒冷地型芝生を上手に育てるために、今回のアドバイスをぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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