New Article

寒冷地型芝生に最適な冬期管理法とは?

この記事の概要

寒冷地型芝生(ケンタッキーブルーグラス、フェスキュー、ペレニアルライグラスなど)は、寒冷地の厳しい冬に耐えるために育てられた芝草ですが、適切な冬期管理が欠かせません。冬の間に行う管理が芝生の健康を左右し、春からの成長に大きな影響を与えます。 […]

芝生の手入れ(年間スケジュール)
raking dead grass from the lawn after winter
この記事は約5分で読めます。

寒冷地型芝生(ケンタッキーブルーグラス、フェスキュー、ペレニアルライグラスなど)は、寒冷地の厳しい冬に耐えるために育てられた芝草ですが、適切な冬期管理が欠かせません。冬の間に行う管理が芝生の健康を左右し、春からの成長に大きな影響を与えます。本記事では、寒冷地型芝生に最適な冬期管理法について詳しく解説します。


寒冷地型芝生が冬に直面する課題

寒冷地型芝生は寒さに強い性質を持っていますが、冬季には以下のような課題が発生します。

1. 低温と乾燥

寒冷地では気温が氷点下まで下がり、乾燥した寒風が芝生にダメージを与えます。これにより、葉が茶色く変色し、根が乾燥してストレスを受けることがあります。

2. 病害のリスク

雪腐病(スノーモールド)などの病害は、積雪や湿気が多い環境で発生します。特に、長期間雪に覆われている地域では注意が必要です。

3. 凍結と融解の影響

冬の間に繰り返される凍結と融解は、芝生の根や土壌に大きな負担を与えます。霜柱の形成により、根が持ち上がりダメージを受けることがあります。

4. 踏圧や物理的損傷

冬季に芝生の上を歩くことや、除雪作業中のミスで芝生が損傷するリスクがあります。これらは春以降の芝生の成長を遅らせる原因になります。


冬期管理の基本原則

寒冷地型芝生を健康に保つためには、冬に特化した管理方法を実践する必要があります。以下は、冬期管理の基本原則です。

1. 土壌環境を整える

冬に備えて土壌を整えることで、芝生の根が健康な状態を維持できます。秋のうちにエアレーションを行い、通気性を改善します。また、有機質を含む目土を撒いて土壌の保湿性を高めましょう。

2. 適切な肥料の施用

リン酸とカリウムを多く含む秋用肥料を施すことで、根を強化し耐寒性を向上させます。窒素は控えめにし、過剰な成長を抑えることが重要です。

3. 防寒対策を行う

寒風や乾燥を防ぐために、不織布や落ち葉を活用して芝生を保護します。特に寒冷地では、通気性を確保しつつ保温効果のある資材を選ぶことが大切です。


寒冷地型芝生の冬期管理法

具体的な管理方法を以下に詳しく説明します。

1. 積雪管理

積雪は芝生を寒さから守る断熱材として機能しますが、管理が不十分だと問題を引き起こすことがあります。

  • 積雪を均一に分散する
    雪が一部に集中して積もると、その下の芝生が窒息状態になり病害の原因になります。スコップやブロワーを使用して雪を均等に分散させましょう。
  • 雪の圧縮を避ける
    人や重機が積雪を踏み固めると、通気性が失われ、湿気がこもる可能性があります。必要な作業以外で芝生の上を歩くのは避けましょう。

2. 病害予防

雪腐病(スノーモールド)をはじめとする病害を予防するためには、湿気を管理することが重要です。

  • デブリの除去
    落ち葉や枯れた芝草が湿気を溜め込む原因になるため、積雪前にこれらを除去します。
  • 殺菌剤の使用
    必要に応じてスノーモールド専用の殺菌剤を使用し、病害の発生を予防します。初雪前に散布すると効果的です。

3. 防寒資材の活用

寒風や霜から芝生を守るために、防寒資材を使用します。

  • 不織布
    芝生全体を覆うことで、寒風や乾燥を防ぎます。通気性が良いため、湿気がこもるリスクを軽減できます。
  • ワラや落ち葉
    薄く敷き詰めることで、地面を保温できます。ただし、厚く敷きすぎると湿気がこもる可能性があるため注意が必要です。

4. 水やりの調整

冬季の芝生は成長が停止しているため、水分の必要量が少なくなりますが、完全に水分を絶つのは良くありません。

  • 乾燥を防ぐ
    週に1回程度、気温が5℃以上の日中に少量の水を与えます。地面が湿る程度に抑え、過剰な水やりは避けましょう。
  • 降雪や雨を考慮
    自然降水量が十分であれば、追加の水やりは必要ありません。

5. 踏圧の回避

積雪や凍結中の芝生はデリケートであり、踏圧が芝生にダメージを与える可能性があります。

  • 作業エリアを制限する
    作業時には踏圧を最小限に抑え、芝生への負担を減らします。
  • 軽量の道具を使用する
    除雪作業にはゴム製のスコップやブラシを使用し、芝生を傷つけないように注意します。

冬明け後のケア

冬が終わり、雪解けが始まったら以下のケアを行います。

1. 清掃と病害の確認

  • デブリの除去
    雪解け後に芝生表面を清掃し、落ち葉や枯れた芝草を取り除きます。
  • 病害の早期対処
    スノーモールドの兆候が見られる場合は、殺菌剤を使用して対処します。

2. 土壌環境の補修

  • 目土の追加
    凍結や融解で生じた凹凸を補修します。有機質を含む目土を薄く均一に撒き、整地します。
  • 排水性の改善
    水はけが悪い箇所には砂を追加し、排水性を向上させます。

3. 春用肥料の施用

春の成長を促すため、窒素を多く含む肥料を施します。これにより、新芽が力強く成長します。


注意点

冬期管理では以下の注意点を押さえておきましょう。

  • 凍結時の作業を避ける
    凍結した土壌での作業は芝生を傷つける可能性があります。地面が柔らかくなったタイミングで作業を行いましょう。
  • 過剰な水やりを控える
    湿気が多いと病害の原因になるため、必要最低限の水やりに留めてください。
  • 殺菌剤の適切な使用
    殺菌剤は必要な場合にのみ使用し、適量を守ることが大切です。

まとめ

寒冷地型芝生の冬期管理は、積雪管理、病害予防、防寒資材の活用、水やりの調整などを組み合わせて行うことが鍵です。適切な管理を行うことで、芝生が寒冷な環境に耐え、春からの成長をスムーズに進めることができます。

この記事を参考に、寒冷地型芝生の冬期管理を実践し、美しい芝生を保つための準備を整えてください。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

芝太郎をフォローする
芝生の手入れ(年間スケジュール)
芝生のDIYなら芝太郎の芝生ガーデニング