冬眠中の芝生の保護:種類・土壌・気候に合わせたケアで春を迎えよう

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秋風が冷たくなり、庭の芝生も冬眠の準備を始めると、春に向けてどのようなケアをすればいいのか悩んでしまいますよね。実は、冬眠中の芝生は一見枯れているように見えても、根は生きており、春に備えてエネルギーを蓄えている大切な時期なのです。 この時期 […]

芝生の手入れ
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秋風が冷たくなり、庭の芝生も冬眠の準備を始めると、春に向けてどのようなケアをすればいいのか悩んでしまいますよね。実は、冬眠中の芝生は一見枯れているように見えても、根は生きており、春に備えてエネルギーを蓄えている大切な時期なのです。 この時期の適切な保護が、春の芝生の生育を大きく左右します。 この記事では、芝生の種類や土壌の状態、気候条件などを考慮した、冬眠中の芝生を保護するためのコツとアイデアを詳しく紹介します。  

芝生の冬眠とは?

芝生は、冬になると生育がほぼ停止し、休眠状態に入ります。これを「休眠」といい、特に、公園や庭でよく見かける高麗芝や野芝などの暖地型芝草は、気温が10℃以下になると休眠し始めます。 休眠中の芝生は、葉の色が緑色から白色に変わり、枯れたように見えますが、根は生きており、春に再び生育を始めます。 この休眠期間は、芝生にとって、厳しい冬を乗り越え、春に再び成長するための重要な準備期間といえます。 枯れた芝は、まるで毛布のように根を寒さから守ってくれる役割も果たします。 また、地表の変化を和らげ、根へのダメージを軽減する緩衝材としての役割もあります。  

冬眠中の芝生の状態

休眠中の芝生は、一見枯れているように見えますが、根は生きています。 葉は茶色く変色し、成長が止まっているため、芝刈りは必要ありません。 根の活動も低下しているため、水や肥料を吸収する力は弱くなっています。 この時期の芝生は、春に備えてエネルギーを蓄えている状態といえます。 霜柱によって芝生が持ち上げられると、根が傷んでしまうことがあるので注意が必要です。  

芝生の種類

芝生は、大きく分けて日本芝と西洋芝の2種類に分類されます。それぞれの特性を理解しておくことが、適切な保護を行う上で重要です。

芝生の種類特徴冬の休眠メンテナンス
高麗芝日本で最も一般的な芝生。葉幅が細く、密度が高い。休眠する比較的容易
野芝日本の自然に多く見られる芝生。葉幅が広く、密度が粗い。休眠する簡単
姫高麗芝高麗芝の中でも特に葉幅が細く、密度が高い。休眠する手間がかかる
ケンタッキーブルーグラス寒地型芝の代表格。美しい青緑色の葉を持つ。休眠しない高温多湿に弱い
ベントグラス非常に細く柔らかい葉を持つ。休眠しない管理が難しい
フェスク類耐陰性に優れ、日陰の場所でも育つ。休眠しない比較的容易

土壌の状態

芝生の生育には、土壌の状態が大きく影響します。芝生に適した土壌は、水はけと通気性が良い土壌です。 理想的な土壌の三相分布は、固相40%、液相30%、気相30%です。 土壌のpHは、弱酸性から中性(pH5.5〜6.5)が適しています。 pHを調整する必要がある場合は、pHを上げるために苦土石灰を、pHを下げるために硫黄を使用します。  

土壌の種類特徴適性
砂壌土水はけと通気性が良い。砂の含有率が高く、手でこねても棒状にならない。最適
壌土砂と粘土が半々。手でこねると細めの棒状になる。適している
粘土質土壌水はけが悪い。粘土の含有率が高く、土が固くなりやすい。不向き

冬眠中の芝生を保護するためのコツとアイデア

目土

目土とは、芝生の上に土や砂を薄くかけることです。目土をすることで、芝生の根の保護、地面の凹凸の解消、土壌の改善などの効果があります。特に冬は、芝生の根の冠部を保護し、乾燥や寒さから守るために重要です。  

1. 刈り込み

休眠期に入る前に、芝刈りを済ませておきましょう。 芝が伸びすぎていると、土に日が当たらず、根の成長が阻害されます。 また、落ち葉や枝などのゴミは、日光を遮り、病気を発生させる原因となるため、取り除いておきましょう。 最後の芝刈りは、地面から3~4cmの高さで行うのがおすすめです。 ただし、冬眠中の芝刈りは、芝生にダメージを与えるため避けましょう。  

2. 施肥

休眠期に入る前の10月頃に、肥料を与えておきましょう。 休眠前に十分な栄養を与えることで、春に健やかに生育することができます。 肥料は、化成肥料(8-8-8など)がおすすめです。 ゆっくりと長く効果を持続させたい場合は、固形肥料を使用しましょう。 即効性を求める場合は、液体肥料がおすすめです。 冬眠中の施肥は、芝生が肥料を吸収できないため、避けましょう。  

3. 水やり

冬眠中の芝生は、水やりの必要はほとんどありません。 しかし、乾燥が続く場合や、寒地型の芝生を育てている場合は、水やりが必要となることがあります。 水やりを行う際は、霜が降りる前の暖かい時間帯に、土の表面が湿る程度にしましょう。 過剰な水やりは、根腐れの原因となるため注意が必要です。 芝生の種類や土壌の種類、気候によって水やりの頻度や量は調整しましょう。  

4. 病害虫対策

冬眠中は、病害虫の活動も低下しますが、油断は禁物です。 落ち葉やゴミはこまめに取り除き、病害虫の発生源を減らしましょう。 芝生の病気には、ブラウンパッチ、ダラースポット病、フェアリーリング病などがあります。 害虫には、スジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシなどがいます。 必要に応じて、殺菌剤を散布するのも有効です。  

5. 霜対策

霜柱は、芝生の根を傷つける原因となります。 霜柱が立っている場合は、芝生を軽く踏んで地面に戻しましょう。 また、水やりは、霜が降りる前の暖かい時間帯に行いましょう。 芝生養生シートを利用することで、霜から芝生を保護することもできます。 芝生養生シートは、保温効果があり、芝生の回復を助けます。  

6. 雪対策

雪が長時間積もっていると、雪腐病などの病気を引き起こす可能性があります。 雪が積もった場合は、早めに取り除くようにしましょう。 ただし、除雪の際は、芝生を傷つけないように、プラスチック製のスコップなどを使用しましょう。  

7. エアレーション

エアレーションは、土壌に穴を開けることで、水はけや通気性を良くする作業です。 休眠期に入る前の秋に行うのが効果的です。 エアレーションを行うことで、根の成長を促進し、春に健やかに生育することができます。 エアレーションは、土壌の硬化を防ぎ、根の呼吸を助けることで、芝生の生育を促進します。  

まとめ

冬眠中の芝生は、春に備えて適切な保護を行うことが大切です。芝生の種類や土壌の状態、気候条件などを考慮し、目土、刈り込み、施肥、水やり、病害虫対策、霜対策、雪対策、エアレーションなどを行いましょう。今回の記事で紹介したコツとアイデアを参考に、冬眠中の芝生をしっかりと保護し、春には青々とした芝生を楽しみましょう。

より深く芝生の冬眠について知りたい場合は、以下のサイトを参考にしてください。

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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